2001 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック薄膜における相化学的特異現象の解明とその誘起物性への応用
Project/Area Number |
13450266
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 惟恭 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木口 賢紀 東京工業大学, 工学部, 助手 (70311660)
脇谷 尚樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40251623)
篠崎 和夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00196388)
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Keywords | ドーピング / 薄膜 / 格子定数 / 半導体化 / ペロブスカイト / MOCVD / スパッタリング / PLD |
Research Abstract |
本研究は今後電子セラミックス部品やメモリーデバイスなどに広く利用されることが予想されるペロブスカイト構造セラミックス薄膜に見られるバルク体(焼結体)とは異なる、いわば異常現象を明らかにし、その機構を解明して、セラミック薄膜の特異性から新たな機能を探索する手がかりを得ようとするものである。ここでの特異性は異種原子のドーピング化の難易性、固溶域の拡大、超格子の出現、超薄層からなる積層体の出現などである。平成13年度は初年度であるため、種々の方法で作製したセラミックス薄膜におけるドーピングの異常現象のケースを探索した。その結果、(1)バルクではライン化合物であるSrTiO_3の薄膜をMOCVD法で作成すると、10%前後の固溶域が現れ、格子定数も変化する。(2)MOCVD法で作成したNbドープのBaTiO_3薄膜では、Nbドープによる半導体化の効果域が大幅にバルクよりの一桁近く高濃度側にずれる、(3)MOCVD法で作成したPbTiO_3中に数GPaの残留応力が発生し、キュリー点が移動する。(4)(2)で記述したようにMOCVD法で作成したNbドープのBaTiO_3薄膜では半導体化が起きたが、RFマグネトロンスパッタ法でNbドープのBaTiO_3薄膜を作成した場合にはNbのドープ量を広範囲に変化させても半導体化が得られない。しかしながら、MOCVDの場合と同様にNbのドープによりBaTiO_3の格子定数は連続的に変化する。(5)バルクではAl_2O_3はMgO中にほとんど固溶しないが、PLD法でAl_2O_3を添加したMgO薄膜を作製すると、少なくとも27mol%までのAl_2O_3添加までにMgOの格子定数は連続的に変化し、Al_2O_3の固溶を示唆する。これらの例が示すように、薄膜ではバルクでは理解することができない多くの異常現象が見いだされた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Chun-Hua Chen, Naoki Wakiya, Kazuo Shinozaki, Nobuyasu Mizutani: "Effects of Deposition Temperature on Structure and Resistivity of Epitaxial La_0.5Sr_0.5CoO_3/CeO_2/YSZ/Si(001)Film"Key Engineering Materials. 214-215. 177-182 (2002)
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[Publications] Daisuke Nagano, Mitsunori Sugiura, Naoki Wakiya, Hiroshi Funakubo, Kazuo Shinozaki, Nobuyasu Mizutani: "Condition mechanism of La-, Nb-doped BaTiO_3 thin by doping MOCVD"Key Engineering Materials. 216. 87-90 (2002)
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[Publications] Chun-Hua Chen, Naoki Wakiya, Astushi Saiki, Takanori Kiguchi, Kazuo Shinozaki, Nobuyasu Mizutani: "Defects in heteroepitaxial CeO_2/YSZ/Si(001)films by precise X-ray rocking curve distribution fitness"Physica B. 308-310. 1050-1053 (2001)
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[Publications] Nobuyasu Mizutani, Naoki Wakiya, Makoto Yoshida, kenichi Hijikata, Kazuo Shinozaki: "Preparation of Epitaxial YSZ Thin Filn on Si(001) Using Metal and Oxide Targets by RF-Magnetron Sputtering"Ferroelectrics. 260. 249-254 (2001)
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[Publications] Y. Xuan, Y. Ishida, N. Wakiya, K. Shinozaki, N. Mizutani: "Growth Mechanism of PbTiO_3 Thin Films Deposited on LaAlaO_3(100) by Metallorganic Chemical Vapor Deposition"Ceramic Processing Science. 4. 249-254 (2001)