2001 Fiscal Year Annual Research Report
希土類テルライト系ガラスでの屈折率分布パターニングの新手法開発
Project/Area Number |
13450269
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅野 安彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90283035)
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Keywords | 希土類テルライト系ガラス / YAGレーザー照射 / 屈折率分布パターニング / 非線形光学結晶ドット / ナノ結晶化ガラス |
Research Abstract |
本研究は、通常のNd : YAGレーザー(波長: 1064nm)をテルライト系(TeO_2)およびビスマス系(Bi_2O_3)ガラス等に照射し、位置選択的に光機能性を有する屈折率分布および希土類結晶ドットを作製し、屈折率分布パターニングのメカニズムを解明すると共に、極めて高度な屈折率パターニングの形成技術を確立することである。得られた成果は以下の通りである。 (1)10BaO. 10Sm_2O_3. 80TeO_2ガラスへのYAGレーザー照射により10〜40μmの結晶ドットが作製できる。レーザー照射時間(0〜15秒)と共に結晶ドットのサイズは大きくなる。偏光顕微鏡観察により、結晶ドットの周りには屈折率分布領域が形成されている。レーザーパワーが0.1〜0.4Wでは結晶ドットは形成せず、逆に0.7W以上では結晶ドットは形成するが照射部分にクラックが発生する。最適なパワーは0.5〜0.6Wである。YAGレーザー照射を走査(速度: 30μm/s)することにより結晶化領域をライン状に作製できる。レーザー照射により析出する結晶相はSm_2Te_6O_<15>の希土類含有テルライト結晶である。ガラスの結晶化温度は460℃であり、レーザー照射部位はそれ以上の温度に加熱されている。熱バランスを明らかにするために、比熱、熱伝導の測定を準備中である。 (2)10BaO. 10Sm_2O_3. 80TeO_2ガラスを通常の熱矩理で得られた透明ナノ結晶化ガラス(結晶サイズ:〜100nm)へのYAGレーザー照射により、照射部分では準安定結晶相から安定結晶相への相転移が起こる。すなわち、レーザー照射による屈折率分布パターニングの作製はガラスだけではなく、ナノ結晶化ガラスに対しても有効である。 (3)Sm_2O_3-BaO-B_2O_3系ガラスへのYAGレーザー照射により、光非線形性を示すβ-BaB_2O_4結晶ドットの形成が可能である。レーザー照射部分の断面観察により、結晶ドットは完全な球状ではなく、レーザーの焦点位置、パワーにより変化する。特に、ガラス表面からたけのこ状に内部に結晶が形成している。可変型光増幅用の導波路形成への応用展開が可能である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Honma, Y.Benino, T.Fujiwara, R.Sato, D.Dimitrov, T.Komatsu: "Electronic Polarizability, Optical basicity and Interaction Paremeter of La_2O_3 and Related Glasses"Journal of Applied Physics. 91・5. 2942-2950 (2002)
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[Publications] T.Honma, Y.Benino, T.Fujiwara, R.Sato, T.Komatsu: "Optical Nonlinear Crystalline Dot and Line Patterning in Samarium Bismuth Borate Glasses by YAG Laser Irradiation"Journal of the Ceramic Society of japan. (印刷中). (2002)