2002 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化複合材の弾性率・内部摩擦の測定と損傷評価:新しい非接触超音波計測法の確立
Project/Area Number |
13450277
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 雅彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80112027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市坪 哲 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40324826)
荻 博次 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90252626)
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Keywords | 繊維強化複合材料 / 超音波計測 / 弾性定数 / 内部摩擦 / 共振 / レーザー計測 / 非接触測定 / 高温測定 |
Research Abstract |
弾性異方性の強い繊維強化複合材料の全ての独立な弾性定数と内部摩擦を高精度に計測するための電磁超音波共鳴/レーザー計測システムを利用してシリコンカーバイド強化チタン合金複合材料の弾性定数と内部摩擦を室温から900℃の範囲で測定し,従来しられていなかった450℃における弾性定数の異常な温度依存性を検出した.これが繊維とチタン間の剥離に起因することも突き止めた.さらに,このシステムを利用して,圧電体の全ての圧電定数と弾性率を同時に決定することに初めて成功し,リチウムナイオベイト結晶の正確な材料定数を測定した.共鳴法によって弾性定数だけでなく圧電定数も決定するためには,観測される共鳴周波数の正確なモード特定が不可避であるが,共鳴周波数だけでは何もモード情報を得られない.我々はレーザードップラー振動計測を用い,共振状態にある圧電体の表面の振動分布を正確に測定し,これを計算する手法を確立した.計算法としては,直方体の各の長さで正規化したルジャンドル関数を基底として変位と電気ポテンシャルを近似し,レーリーリッツ法によって,エネルギが最小となるときの基底の定数を決定することにより行った.これにより,共振周波数の計算精度を10^<-6>にまで高めることができる.そして,測定した振動分布図と計算した振動分布図を比較することで,誤りの無いモード特定を行うことに成功した.この原理で得たリチウムナイオベイトの圧電定数は,従来から報告されている値と40%異なったが,我々の測定においては,従来発生していた誤差要因を全て回避したために,我々の得た数値の方が信頼性が高いことが証明された.
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[Publications] H.Ogi, H.Ledbetter, K.Takashima, G.Shimoike, M.Hirao: "Elastic Properties of a crossply SiC_f/Ti composite at elevated temperatures"Metallurgical and Materials Transactions A. 32A. 425-429 (2001)
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[Publications] H.Ogi, K.Sato, T.Asada, M.Hirao: "Complete mode identification for resonance ultrasound spectroscopy"Journal of the Acoustical Society of America. 112. 2553-2557 (2002)
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[Publications] H.Ogi, Y.Kawasaki, M.Hirao, H.Ledbetter: "Acoustic spectroscopy of lithium niobate : Elastic, piezoelectric, and dielectric coefficients"Journal of Applied Physics 2451-2455. 92. 2451-2455 (2002)