2002 Fiscal Year Annual Research Report
溶液中凝固界面による微細粒子の捕捉,押し出しに関する界面物理化学的研究
Project/Area Number |
13450311
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
向井 楠宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60023173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和才 京子 九州工業大学, 工学部, 助手 (90128124)
趙 耀華 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60315166)
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
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Keywords | 微細炭素粒子 / 純水中 / 温度勾配 / 界面張力勾配 / 移動速度 / 微小重力 / 地上 |
Research Abstract |
平成13年度は、航空機実験を用いた微小重力環境下での実験により以下のことを明らかにした。すなわち、表面活性剤水溶液の凝固界面前面に形成される濃度境界層中の微細気泡には、気泡表面に溶質の濃度勾配に起因する表面張力勾配が生じ、それが駆動力となって、気泡が界面に引き寄せられることが明らかになった。 平成14年度は、固体微粒子が温度勾配に起因する界面張力勾配下でどのように振舞うかを平成13年度と同一の装置を用いて明らかにすることを目的とした。すなわち、石英ガラス製セル内純水にペルチェ素子を用いて、定常的な温度勾配をつけ、その中に数十μm径のグラファイト粒子を懸濁させ、その挙動を、航空機実験による微小重力環境下で直接観察した。航空機実験は径3フライト(1フライトあたり10〜15回の放物線飛行)行った。しかし、飛行時、進行方向への加速度が作用することによって、グラファイト微粒子がセル壁面に移動、付着し、充分な観察結果が得られなかった。ただ、記録されたビデオ映像からして、微小重力下でも数個のグラファイト微粒子が、温度の高い方へ動く事実を確認することができた。 次に航空機実験に用いたのと同一の装置を用いて、地上における温度勾配下のグラファイト粒子の沈降挙動を等温系のそれと比較することにより調べた。その結果、温度勾配が垂直に存在する系における蒸留水中のグラファイト粒子の沈降速度は、温度勾配が存在しない場合と比べて、実験誤差以上の速度の低下を示すことが明らかになった。この結果は、温度勾配により生じる界面張力勾配に起因する駆動力がグラファイト粒子に働くと見なせることを示している。沈降速度の低下量は温度勾配及びグラファイト粒子の粒径が大きくなるにつれて大きくなり、この結果は我々がすでに提唱している理論式を用いて定性的によく説明できる。しかし、定量検証についてはなお、今後の研究課題として残されている。
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[Publications] K.Mukai, et al.: "Behaviour of Bubbles in Liquid Caused by Marangoni Effect in Relation to Steelmaking Process"PROCEEDINGS of the MILLS SYMPOSIUM. 145-153 (2002)
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[Publications] K.Mukai, et al.: "Motion of Fine Particle under interfacial Tension Grandient in relation to Continuous Casting Process"steel research. 74・NO.3. 131-138 (2003)