2002 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンCZ炉における酸素移動の総合的シミュレーション実験的検証
Project/Area Number |
13450321
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今石 宣之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 泰伸 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (10231846)
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Keywords | シリコン単結晶 / チヨクラルスキー炉 / 酸素移動 / 数値シミュレーション / 総合熱流動解析 / 派生流動 / 融液対流の安定性 |
Research Abstract |
本年度も、小型のシリコンCz炉内の酸素輸送現象についての定量的検討を、主に数値シミュレーションに基づいて実施した。昨年度のシミュレーションでは、結晶や坩堝は回転させずに静止したものとして取り扱ったが、本年度は結晶および坩堝の回転の効果を含めた総合シミュレーションを実施した。その結果、結晶回転により、回転結晶の下部メルト中に弱い上昇流を伴う剛体回転領域が誘起されること、坩堝回転により自然対流が抑制されること、両回転の並存によってメルト流は複雑化することを改めて示した。これらの流れが結晶中の酸素濃度に及ぼす効果を、メルト対流が浮力のみに誘起される場合、マランゴニ効果が重畳する場合に分け、さらにホットゾーン中に円筒形の輻射制御等を挿入した場合とそれの無い場合とについてそれぞれ詳細に評価した。 また、同じ形状の小型炉について磁場によるローレンツ力の影響を組み込んだ総合解析を行い、縦磁場印加が酸素移動に及ぼす効果を解析した。 この他に、シリコンメルト表面のスポーク状のパターンが発生する機構について考察するため、外側面が加熱され、中心部の円筒壁面が冷却される、水平方向に大きな温度勾配を持つ薄い円環状のシリコンメルトプール内の熱流動現象についての3次元非定常数値シミュレーションを実施し、まず無重力環境下での挙動を解析した。プラントル数(Pr)が大きいシリコンオイル液層の場合と対比しつつ検討した。その結果、薄い液層の場合には、Prの大小にかかわらず、いわゆるHydrothermal Waveが発生することを明らかにした。液深が増すと、低Pr流体であるシリコン融液層の場合には周方向に伝播しない振動流が発生するが、重力が作用すると周方向に振動が伝播し始めることを見出した。高Pr流体の場合には液深が増しても、周方向に伝播する振動流が継続することを確認した。 これらの結果は、5編の学術論文としてJ. Crystal Growth誌およびInt. J. Heat Mass Transfer誌に投稿中で、平成15年度中に印刷される予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.W.Li et al.: "Global Simulation of Silicon Czochralski Furnace"Journal of Crystal Growth. 234. 32-46 (2002)
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[Publications] Y.R.Li et al.: "Thermacapillary Flow in a Thin Annular Pool of Silicon Melt"SPIE Proceedings. 4813. 12-23 (2002)
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[Publications] N.Imaishi et al.: "Convective Instability in Crystal Growth System"Annual Review of Heat Transfer. 12. 187-221 (2002)