2002 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界CO_2を溶媒とするポリフェニレンオキサイドの環境調和型重合法の研究
Project/Area Number |
13450324
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪股 宏 東北大学, 超臨界溶媒工学研究センター, 教授 (10168479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 賢 東北大学, 超臨界溶媒工学研究センター, 助手 (40312607)
SMITH Richard Lee Jr. 東北大学, 超臨界溶媒工学研究センター, 教授 (60261583)
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Keywords | PPO / 重合 / 超臨界CO2 / 脱有機溶媒 / 環境調和型 |
Research Abstract |
エンジニアリングプラスチック(PPS, PPOなど)の工業的製法は,PPOの場合,重合溶媒としてトルエン,触媒に銅ジアミン錯体を用い,酸素を吹き込みながら重合(酸化カップリング反応)しているが,トルエンと酸素の混合による爆発性ガス生成,製品コストに占める重合溶剤回収コストの大きさなどが課題とされている.このような背景から,本研究では,超臨界CO_2中でのPPOの重合法の確立を最終目標としている. 昨年度は、超臨界CO2を溶媒として用いたPPOの合成(Mw≒10,000)可能性を不すこと、しかし、超臨界CO2がPPOに対して貧溶媒であることから、反応途中で生長ポリマー鎖が析出してしまうことを明らかにした。その結果、工業上有用される高分子量PPO(Mw≧40,000〜)の合成に更なる工夫が必要で、本年度はその検討を中心に行った。 超臨界CO2はPPOに対して貧溶媒であるが、同じように貧溶媒であるメタノールなどと異なりPPOに溶解してPPOを大きく膨潤・可塑化するといったことが知られている。昨年度までの研究でも、この現象が原因で生長ポリマー鎖の析出後にも分子量の増加が見られた。つまり、超臨界CO2中において生成ポリマーの高分子量化を行うためには、PPOの膨潤・可塑化が重要であると考え、実際に、生長ポリマー鎖の析出後にPPOの膨潤・可塑化を目的とした実験条件の制御を行った。その結果、比較的高分子量のPPO(Mw≒20,000)を合成することが出来た。 現時点としては、より高分子量のPPOを合成するための最適実験条件の探索を行うとともに、その実験条件下で効果的に合成が可能である新規プロセスの提案を行っていくことによって工業化への可能性を追求していきたいと考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Li, Guangshe, R.L.Smith, Jr., 猪股宏, 新井邦夫: "Synthesis and thermal decomposition of nitrate free boehmite nanocrystals by supercritical hydrothermal conditions"Materials Letters. 53. 175-179 (2002)
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[Publications] Smith, Jr., R.L., 斉藤千恵, 鈴木幸雄, S.B.Lee, 猪股宏, 新井邦夫: "Temperature dependence of dielectric spectra of carbon dioxide and methanol mixtures at high-pressures"Fluid Phase Equilibria. 194-197. 869-877 (2002)
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[Publications] 本間哲夫, 葛原俊介, Chee Chin Liew, 猪股宏: "Phase Behavior and Physico-Chemical Properties of Aqueous Electrolyte Solutions near the Critical Point via Molecular Dynamics Simulation with Gravity Perturbation"Fluid Phase Equilibria. 194/197. 271-280 (2002)
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[Publications] Li, Guangshe, R.L.Smith, Jr., 猪股宏, 新井邦夫: "Preparation and Magnetization of Hematite Nanocrystals with Amorphous Iron Oxide Layers by Hydrothermal Conditions"Mater. Res. Bull. 37. 949-955 (2002)
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[Publications] R.L.Smith, R.M.Malaluan, W.B.Setianto, H.Inomata, K.Arai: "Separation of Cashew (Anacardium occidentale L.) nut shell liquid with supercritical carbon dioxide"Bioresource Technology. 88. 1-7 (2002)
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[Publications] L.P.Li, G.S.Li, R.L.Smith, 猪股宏: "Activation of Oxide-ion conduction in KNbO3 by addition of Mg2^+"Applied Physics Letters. 81. 2899-2901 (2002)
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[Publications] 分担執筆 猪股宏: "超臨界流体のすべて"テクノシステム. 656 (2002)