2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450330
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
服部 英 北海道大学, エネルギー先端工学研究センター, 教授 (00000844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正昭 北海道大学, エネルギー先端工学研究センター, 助手 (70261360)
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Keywords | 表面プロトン / 水素吸着 / スピルオーバー / 硫酸イオン添加ジルコニア / 酸化タングステン添加ジルコニア / アルカン骨格異性化 |
Research Abstract |
硫酸イオン添加ジルコニア、酸化タングステン添加ジルコニア、それらに白金を坦持した触媒を調製し、水素吸着の速度論的解析を行うとともに、ブタンの骨格異性化、ヘプタンの骨格異性化、シクロヘキサンの骨格異性化に対する水素の共存効果を検討した。 白金を坦持した硫酸イオン添加ジルコニア、酸化タングステン坦持ジルコニアの水素吸着速度を解析した結果、白金を坦持した硫酸イオン添加ジルコニアでは水素原子の坦体上の表面拡散が律速で活性化エネルギーは81kJ/mol、白金を坦持した酸化タングステン添加ジルコニアでは白金上に解離吸着した水素原子が坦体上へ移動するスピルオーバー過程が律速で活性化エネルギー21kJ/molであることが分かった。 すべての触媒で、触媒活性に対する水素の促進効果がみられた。ブタンの骨格異性化、シクロヘキサンの骨格異性化、ヘプタンの骨格異性化に白金を坦持した硫酸イオン添加ジルコニア、酸化タングステン坦持ジルコニアを用いた場合には、活性点である表面プロトンは、気相にある水素分子を起源とすることが明らかとなった。表面プロトンの生成に付随して生成する表面ハイドライドは、炭素質析出を防ぐとともに、適量存在することによって反応速度を増加させるが、過剰に存在すると反応中間体の濃度を減少させ、反応速度を減少させることも明らかにした。 ヘプタンの骨格異性化においては、白金を坦持した硫酸イオン添加ジルコニアよりも、酸化タングステン坦持ジルコニアの方が選択率が高い、すなわち併発するクラッキングが少なかったが、これは、酸化タングステン坦持ジルコニアの方が水素の表面拡散速度が大きく、プロトンとハイドライドの供給速度が大きいことによると結論した。
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