2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450340
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹治 保典 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (00282848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 一彦 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (40323810)
堀 克敏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (50302956)
海野 肇 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10087471)
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Keywords | 病原性大腸菌O157 / バクテリオファージ / 大腸菌 / 外膜タンパク質 |
Research Abstract |
バクテリオファージは高い宿主認識特異性を持ち、他の菌叢に影響を与えることなく特定の病原菌の増殖を抑えることが可能である。そこで、深刻な衛生学的問題を引き起こす大腸菌O157: H7に感染するファージの機能を利用し、ファージによる大腸菌O157: H7の増殖抑制に関する解析を行った。 豚、牛、ニワトリなどの家畜糞便、及び下水、生屎尿、廃水処理場の活性汚泥等から大腸菌O157: H7特異的ファージを数十種スクリーニングした。ファージの遺伝子を精製後、制限酵素切断パターンの違いから識別可能なファージを選別し、ホストレンジ、溶菌特性等を比較解析した。豚糞からスクリーニングしPPO1と命名したファージは特に高い溶菌活性を示した。PPO1と大腸菌O157: H7の吸着速度はファージと菌体濃度の1次反応速度式で表すことができ、宿主菌の吸着速度定数は非感受性菌である大腸菌JA300の約500倍であった。また、PPO1感染後には宿主菌由来のPPO1に耐性能を獲得した大腸菌が複数出現した。この中の1種は大腸菌外膜タンパク質の一種であるOmpCの発現が無かった。OmpCの発現を抑えることによりPPO1の感染を回避したと考えられる。大腸菌O157: H7のOmpCをコードする遺伝子をクローニングし、塩基配列を明らかにた。大腸菌O157: H7と大腸菌K12がそれぞれコードするOmpC遺伝子の塩基配列は90%の相同性を示した。PPO1はOmpCの僅かな違いを厳密に識別し、大腸菌O157: H7にだけ感染する。この特異性をうまく利用することにより、細菌叢の中で、大腸菌O157: H7を狙い撃ちできるシステムが構築できるものと期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y. Tanji, K. Mizoguchi, M. Yanagida, K. Hori, H. Unno: "Seasonal change of coliphage in septic tank sludge and quantification of Pl phage mediated gene transfer"J. Chem. Eng. Japan. 34. 1079-1083 (2001)
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[Publications] M. Morita, Y. Tanji, K. Mizoguchi, A. Soejima, Y. Orito, H. Unno: "Antibacterial activity of Bacillus amyloliquefaciences phage endolysin without holin conjugation"J. Biosci. Bioeng. 91. 469-474 (2001)
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[Publications] M. Morita, K. Asami, Y. Tanji, H. Unno: "Programmed Escherichia coli cell lysis by expression of cloned T4 phage lysis genes,"Biotechnol. Prog.. 17. 573-576 (2001)
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[Publications] M. Morita, Y. Tanji, Y. Orito, K. Mizoguchi, A. Soejima, H. Unno: "Functional analysis of antibacterial activity of Bacillus amyloliquefaciens phage endolysin against Gram-negative bacteria"FEBS Letter. 500. 56-59 (2001)