2002 Fiscal Year Annual Research Report
π共役系ホストを用いるカーボンナノクラスターの超分子科学的機能化
Project/Area Number |
13450367
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00167769)
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Keywords | フラーレン / ポルフィリン / π共役系 / 超分子 |
Research Abstract |
フラーレンとの相互作用が特に強い三価のロジウムポルフィリン環状二量体について、アキシャル基の異なる錯体を合成し、フラーレンとの相互作用に与えるアキシャル基の影響を検討したところ、極めて大きな影響があることが明らかになった。さらに、各ロジウムポルフィリン環状二量体の第一酸化電位とC_<60>との会合定数は相関を示し、電子リッチなロジウムポルフィリンほどフラーレンとの相互作用が強いことも分かった。以上の知見を踏まえて、各ホストに内包されたC_<120>の振動活性のチューニングを検討したところ、ホストとC_<120>の会合定数は振動の活性化エンタルピーと相関を持つことが分かった。 また、非対称なフラーレンダイマーであるC_<130>とホスト分子であるメチルロジウムポルフィリン環状二量体との複合体において、ホストはC_<70>側に片寄って存在することが、C_<120>及びC_<140>をゲストとする複合体との比較から明らかになった。この結果は、C_<70>がC_<60>に比べより強い相互作用を持つという知見と対応したものである。飽和移動実験やスペクトルシミュレーションとの比較から、内包されたC_<130>は温度に依存した異方的な振動を解離することなく起こすことが明らかになった。 ガドリニウムを内包したフラーレンGd@C_<82>は極低温において会合し、本来分子が持っているスピンがキャンセルしてしまうことが知られているが、メチルロジウムポルフィリン環状二量体に内包させることにより、会合を抑制できることが分かった。
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[Publications] K.Tashiro, Y.Hirabayashi, T.Aida, K.Saigo, K.Fujiwara, K.Komatsu, S.Sakamoto, K.Yamaguchi: "A Supramolecular Oscillator Composed of Carbon Nanocluster C_<120> and a Rhodium(III) Porphyrin Cyclic Dimer"Journal of American Chemical Society. 124. 12086-12087 (2002)