2002 Fiscal Year Annual Research Report
炭素および窒素結合型遷移金属α-シアノカルバニオンの構造と反応性に関する研究
Project/Area Number |
13450371
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20164113)
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Keywords | シアノカルバニオン / ルテニウム |
Research Abstract |
申請者3はニトリルの炭素-炭素結合形成反応の活性種となる遷移金属α-シアノカルバニオンの反応性に関する基礎研究を行った。α位にスルホニル基を有する窒素結合型のCpルテニウムカルバニオン錯体を合成し,この炭素-炭素結合形成能を検討した結果,種々の電子吸引性置換基を有するオレフィンがこれらの錯体の窒素の隣接炭素部位と炭素-炭素結合を形成し,相当する窒素結合型のカップリング錯体を与えることを明らかにした。さらにα位にアルコキシカルボニル基を有する窒素結合型のヒドリドルテニウムカルバニオン錯体を合成し,同様の電子欠損性オレフィンとの反応性を検討した結果,この場合も上記同様のカップリング錯体がヒドリド基をそこなうことなく得られることが判明した。この結果はC-H結合の活性化を経由する触媒的マイケル付加反応が,ヒドロメタル機構を経由して進行するものでなく,イオン的機構で進行する可能性を強く示唆することになり,炭素-炭素結合形成における触媒作用に新しい知見を与えることになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeshi Naota, Akio Tannna, Shigeaki Kamuro, ShuuIchi Murahashi: "Mechanism of the Interconversions between C-and N-Bound Transition Metal α-Cyanocarbanions"J. Am. Chem. Soc.. 124. 6842-6843 (2002)
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[Publications] 直田健, 小宮成義ほか: "有機合成における触媒反応"東京化学同人(in press). (2003)