2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450400
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
藤井 孝藏 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 教授 (50209003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤松 信義 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助手 (70342623)
嶋田 徹 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 助教授 (10332149)
稲谷 芳文 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 教授 (10168403)
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Keywords | 数値流体力学 / 宇宙輸送システム / 風洞試験 / 数値シミュレーション / 圧縮性流れ |
Research Abstract |
昨年の実験,および数値計算からカプセル形状では角の丸みが増すことで遷音速領域において非線形性が強まること,およびその流れメカニズムが明らかになった.また限られたケースではあるが数値計算の信頼性が明らかとなった. 本年は,実験として一部模型の再制作を行い昨年不十分であった形状に関する実験を行った.実験条件に合わせたスティング付きのシミュレーションを行い,シミュレーションの信頼性の評価を行うことができた.同時に風洞規模の制約から,特定の迎角範囲を除いてはスティングの存在が空力特性に与える影響が無視できないことが明らかになった.しかしながら,全体としてシミュレーションによって初期フライト軌道設計などに利用する空気力評価は十分に行えることが明らかになった. 本年のもう1つの目標である種々の再使用型機体に関する空力特性の把握に関しては,200ケース以上のシミュレーションを行い,形状パラメータ,マッハ数,迎角などの影響を整理し,空力特性と形状との関係を明らかにすることができた.全体抵抗に占めるベース圧による抵抗は遷音速以下の低いマッハ数では数十%程度,高いマッハ数ではほとんど影響しなくなることが明らかになったが,シミュレーション結果は,乱流モデルを利用したいわゆるRANSシミュレーションではモデルに工夫をしても正確なベース流れの予測は不可能であることを示した.そのため,現象を議論することを目的に,RANSによるシミュレーションと並行してLESハイブリッドモデルを利用したプログラム開発を行った.簡単な形状に関するベース流れの予測はこれにより格段に向上することが明らかになった. 多数のシミュレーション結果は整理されており,すでに最終年度に向けてデータベース構築を開始している.航技研,他大学などの協力を仰いで他のソフトウェアや市販のソフトウェアを利用した検証を実現することができなかったのでこれは最終年度の課題としたい.
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[Publications] 藤井 孝藏, 下山 幸治, 筒井 裕貴, 藤本 圭一郎: "CFDによる遷音速空力特性評価の試み"日本航空宇宙学会 第33期年会講演会 講演集. 113-116 (2002)
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[Publications] 藤井 孝藏: "CFD思い出話-航空宇宙関連を中心に"日本数値流体力学会議(最終号), WEB Journal. 第10巻第3号. 237-240 (2002)
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[Publications] Takashi Ito, Kozo Fujii: "Numerical Investigations of the Base-Flow Characteristics of Axisymmeric Aerospike Nozzles"Transaction of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences. Vol.45 No.148. (2002)
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[Publications] 藤本 圭一郎, 藤井 孝藏, 坪井 伸幸: "次世代垂直離着陸ロケットの空力特性-基本形状変化の影響"第34回流体力学講演会 講演集. 347-350 (2002)
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[Publications] Kozo Fujii, Kazuhiro Imai, Tetsuya Sato: "Computational Analysis of the Flow Field Near the Boat-tail Region of Annular Plug Nozzles"JSME International Journal, Series B. Vol.45 No.4. (2002)
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[Publications] 坪井 伸幸, 藤本 圭一郎, 藤井 孝藏: "単段再使用ロケット基礎形状の空力特性と物理現象"第46回宇宙科学技術連合講演会. 582-586 (2002)
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[Publications] 藤本 圭一郎, 藤井 孝藏, 坪井 伸幸: "CFDによるRLV基本形状の空力特性解析"宇宙航行の力学シンポジウム. 43-46 (2002)
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[Publications] Keiichiro Fujimoto, Kozo Fujii, Nobuyuki Tsuboi: "CFD Prediction of the Aerodynamic Characteristics of Capsule-Like Configurations for the Future SSTO Development"41st AIAA Aerospace Sciences Meeting and Exhibit. (2003)