2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代銅生産技術としての黄銅鉱の電位制御高速リーチング法に関する研究
Project/Area Number |
13450412
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
恒川 昌美 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40002026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣吉 直樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50250486)
平島 剛 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00175556)
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Keywords | 黄銅鉱 / 浸出 / 酸化溶解 / 酸化還元電位 / 活性態 / 不働態 / 銅 / 電解 |
Research Abstract |
所定濃度のCu(II), Fe(II)およびH_2SO_4を含む電解液中で黄銅鉱電極のアノード分極曲線を298Kにて測定し,黄銅鉱アノード溶解の電位依存性と最適電位に及ぼす液組成(H_2SO_4,Cu^<2+>,Fe^<2+>濃度)の影響を調べた。13年度に報告したように,Cu(II)とFe(II)が共存するとアノード分極曲線には活性態-不働態挙動が認められ,電位の上昇に伴ってアノード電流が増大してピーク値に達した後に低下し(活性態),高電位域では電流の電位依存性は小さくなる(活性態域)。H_2SO_4濃度が0.1kmol m^<-3>以上になると活性態域のピーク電流は低くなり,過度に高い濃度のH_2SO_4が黄銅鉱のアノード溶解反応を抑制することが示唆された。ピーク電位はH_2SO_4濃度によらず,ほぼ一定であった。一方,ピーク電位はCu(II)とFe(II)濃度には顕著に依存し,Fe(II)濃度が10倍になるごとに約13mV, Cu(II)濃度が高くなると約30mVづつ高電位にシフトした。このピーク電位は黄銅鉱アノード溶解反応の速度が最大になる電位(最適電位)とみなされる。 陰イオン交換膜で隔離された2つの電解槽からなる回分式の電位制御浸出装置を試作した。この装置では,黄銅鉱の溶解に伴って消費されるFe(II)へと還元される酸化剤Fe(III)を電解によって再生し,反応過程の溶液の酸化還元電位(Fe(III)とFe(II)の濃度比により定まる電位)を制御する。本装置を用いて黄銅鉱粉末試料(中位径6μm)の浸出実験を液温353Kにて行った。電位が過度に高い場合には,黄銅鉱が不働態化して90%以上の浸出率を得るのに3日程度の時間を要したが,電位を最適電位付近に保った場合には約6hで90%以上の浸出率を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroyoshi, M.Tsunekawa, T.Hirajima: "Redox Potential Dependence of Chalcopyrite Leaching"Proceedings of 22th International Mineral Processing Congress. 1203-1213 (2003)
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[Publications] H.Miki, N.Hiroyoshi, S.Kuroiwa, M.Tsunekawa, T.Hirajima: "Mechanisms of Catalytic Leaching of Chalcopyrite"Proc.,Copper03-Cobre03 Inter.Conf.. Vol.VI. 383-394 (2003)
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[Publications] N.Hiroyoshi, S.Kuroiwa, H.Miki, M.Tsunekawa, T.Hirajima: "Synergistic Effect of Cupric and Ferrous Ions on Active-Passive behavior in Anodic Dissolution of Chalcopyrite in Sulfuric Acid Solutions"Hydrometallurgy. (印刷中). (2004)