2004 Fiscal Year Annual Research Report
有用野生ゲノムを有したイネにおける高光合成機能および超多収性の解析
Project/Area Number |
13460009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内田 直次 神戸大学, 農学部, 助教授 (70151884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 敏男 神戸大学, 農学部, 教授 (70240851)
石井 尊生 神戸大学, 農学部, 助教授 (20260648)
東 哲司 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30231913)
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Keywords | イネ / 光合成 / 収量 / 野生種 / ゲノム / Rubisco |
Research Abstract |
本年度は野生イネOryza rufipogonと栽培イネO.sativa(日本晴)との戻し交雑系統(準同質遺伝子系統を含む)における高光合成機能の解析を中心に行った. 交雑系統の中には自殖がすすんでも最大光合成能力が高く維持されるものがあること,そしてそれらは大気条件での光合成能力も高いことがわかった,すなわち,炭酸ガスや光が飽和しているときの最大光合成能力による選抜によって自然条件での光合成能力が高いものを選抜することが可能であることが判明した.これらの機構を探るためCO_2濃度曲線や光合成関連酵素の定量を行った結果,in vivoにおけるRubisco比活性と密接に関係すること,そしてこの比活性はRubiscoに対するRubisco activaseの量比と関係していることが示唆された. 次に,個々の量的形質遺伝子座(QTL)の光合成への効果を明らかにするために,遺伝的背景が日本晴で,光合成に関与するQTL領域がO.rufipogon由来である準同質遺伝子系統(NIL)を作出し,その光合成特性を調べた.NILの光合成能力は,炭酸ガス濃度が大気条件および飽和条件ともに親の日本晴よりも高く,NIL系統が持つこれらのQTL領域が光合成能力の向上に有効であることが明らかとなった.そしてこの光合成能力の増加は主としてRubisco activase量によるRubiscoの活性型量の増加あるいはRubiscoの比活性の増加によるものであることが明らかになった. 以上の結果は今後の光合成機能の強化に極めて有効であり,具体的には光合成能力を高めるための中間母本の育成への道を開いたものといえる.
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Research Products
(4 results)