2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460011
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
福井 博一 岐阜大学, 農学部, 教授 (20183585)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
景山 幸二 岐阜大学, 農学部, 助教授 (50224366)
松本 省吾 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90241489)
|
Keywords | 根頭がんしゅ病 / Agrobacterium tumefaciens / 抵抗性台木 / Acetosyringone / 多糖類 |
Research Abstract |
バラの根頭がんしゅ病抵抗性品種'Pekcougel'と罹病性品種'Dukat'との交雑を行い、抵抗性の遺伝について検討した結果、抵抗性形質は後代に遺伝した。しかし、抵抗性の程度は連続的に変化し、単独の主働遺伝子支配を受けていないことが明らかとなり、複数の抵抗性因子が存在することが示唆された。抵抗性発現に関わる要因を検討した結果、細胞間多糖類に関して差異が認められ、罹病性品種では細胞間多糖類の著しい発達が見られたのに対して、抵抗性品種ではこれらの発達が認められず、Agrobacterium tumefaciensのバラ細胞への接着に関連する因子が抵抗性発現に関与していることが明らかとなった。また、Agrobacterium tumefaciensの病原性の発現に深く関与しているといわれるAcetosyringone誘導体の含量について罹病性品種と抵抗性品種を比較した結果、罹病性品種では多種類のAcetosyringone誘導体の生合成が確認されたのに対して、抵抗性品種ではそれらの生合成量が著しく少なく、Acetosyringone誘導体の生合成に関わる因子も抵抗性の発現に関与していることが明らかとなった。これらのAgrobacterium tumefaciensに関する研究を進める過程で、岐阜県内より採取した根頭がんしゅ病菌Agrobacterium tumefaciensを遺伝子組換え体として利用する試みを行った結果、効率よく組換え体を作出でき、理科教材として本菌を使用することができることが明らかとなった。
|
-
[Publications] Zhou, L., B. S. Tan, H. Fukui, S. Matsumoto, K. Kageyama: "Resistibility against crown gall disease in progenies between resistant 'PEKcougel' and susceptible 'Dukat' of rose"Acta Horticulturae. 547. 69-74 (2001)
-
[Publications] 陳敏詩, 熊本真紀, 山本欣郎, 景山幸二, 松本省吾, 福井博一: "バラ根頭がんしゅ病抵抗性発現における細胞間多糖類の役割"園芸学会雑誌. 70(別2). 323 (2001)
-
[Publications] 陳敏詩, 蓮尾和哉, 河合真吾, 景山幸二, 松本省吾, 福井博一: "バラにおけるAcetosyringone誘導体含量と根頭がんしゅ病抵抗性との関係"園芸学会雑誌. 70(別2). 324 (2001)
-
[Publications] 松本省吾, 高木諭美, 鈴木学, 田中伸和, 福井博一: "理科教材としての遺伝子導入系-2.岐阜県産アグロバクテリウムの感染によるトランスジェニック植物の作出-"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 26. 49-53 (2001)
-
[Publications] 福井 博一: "バラの病害に対する防除法"日本ばら切花協会報. 49. 91-97 (2001)