2003 Fiscal Year Annual Research Report
園芸作物の生長・生育の諸過程における水チャネルの機能
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13460012
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Research Institution | Nagoya University, Graduation School of Bioagricultural Sciences |
Principal Investigator |
白武 勝裕 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90303586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 正義 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80181577)
山木 昭平 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70210341)
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Keywords | 水チャネル / アクアポリン / 水輸送 / セイヨウナシ / ダイコン / アサガオ / リン酸化 / ストレス応答 |
Research Abstract |
セイヨウナシにおける水チャネルのリン酸化による活性調節 セイヨウナシの水チャネルPIP2型について推定リン酸化セリン残基がリン酸化した状態を特異的に認識する抗体を作製し、リン酸化の有無やどのような条件下でリン酸化状態が変化するかを明らかにした。セイヨウナシの果肉由来の培養細胞にストレス処理を行い、作製した抗体を用いてリン酸化状態を調べたところ、浸透圧ストレスやNaClストレスにより脱リン酸化がおきた。この結果から、セイヨウナシのPIP2型アクアポリンが生体内でリン酸化・脱リン酸化されることが示された。PIP2型アクアポリンは、ストレス条件下で脱リン酸化されチャネルが閉じることにより、細胞から水が出ていかないように調節している可能性を示唆した。一方、セイヨウナシ果実の日肥大周期におけるPIP2の全体量とリン酸化状態を、それぞれ抗N末抗体と抗リン酸化抗体で調べたところ、PIP2の全体量の日変化は比較的小さいが、PIP2のリン酸化状態の変化は大きいことが明らかとなった。このことより、日中、果実細胞は脱リン酸化して水チャネルを閉じることによって水が奪われるのを防いでいることを示唆した。 アサガオ花弁の水チャネルcDNAのクローニング 基礎生物研究所のアサガオ花弁ESTより水チャネルホモログをピックアップし、クローニングした液胞膜水チャネルTIP6種、細胞膜水チャネルPIP1型4種、PIP24種の全塩基配列を決定した。
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[Publications] Suga, S.: "An abundance of aquaporins in specific cells and osmotic water permeability of individual protoplasts of radish."Plant Cell Physiol.. 44. 277-286 (2003)
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[Publications] 白武 勝裕: "シロイヌナズナのゲノムからみた膜輸送系"細胞工学別冊 植物細胞工学. 18. 18-20 (2003)
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[Publications] 白武 勝裕: "シロイヌナズナ膜輸送系の分類と主な既知膜輸送系との対応"細胞工学別冊 植物細胞工学. 18. 216-223 (2003)
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[Publications] 須賀 しのぶ: "植物における水の輸送とアクアポリン"植物の生長調節. 38. 220-228 (2003)
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[Publications] 前島 正義: "ノーベル化学賞のスポットライトをあびたアクアポリン"化学と生物. 42. 41-42 (2003)