2001 Fiscal Year Annual Research Report
果菜類の単為結果及び結実に特異的に発現する遺伝子のクローニングと結実の安定化
Project/Area Number |
13460013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山木 昭平 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70210341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白武 勝裕 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90303586)
森 仁志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20220014)
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Keywords | 遺伝子のクローニング / オーキシン / 結実 / サブトラクション / cDNAライブラリー / 受粉 / 単為結果 / ナス果実 |
Research Abstract |
1.ナスの開花後受粉すると花粉管は伸長し、1.5〜2日で子房に到達し受精することを光学顕微鏡的に明らかにした。このことより、実験区として開花時に除雄し、受粉区、非受粉区、非受粉で4-CPA処理した区を設け、3日間生長させた後採取し、それぞれよりRNAを抽出した。 2.受粉区及び非受粉区から抽出したRNAよりそれぞれmRNAを精製してcDNAライブラリーを作成し、サブトラクションを行い、受粉によって特異的に発現するcDNAクローンをスクリーニングした。その結果、数十種類のクローンを得ることが出来、それらの部分あるいは全塩基配列を決定したところ、その相同性より10種類のクローンを同定することが出来た。そこには、ヒストンH2A、ヒストンH4、カルレティキュリン、ポリフェノールオキシダーゼ、細胞壁構成タンパク質、細胞分裂関連タンパク質、分子シャペロンが含まれ、これらはいずれも4-CPAによっても発現が誘導された。 3.10種のクローンを発現様式によってグループ分けすると、1)開花後2日目までに急激に発現が上昇し、すぐに減少するもの、2)開花後1週間程度徐々に上昇し、その後減少するもの、そして3)2日目頃より上昇し、生長に伴って発現が維持されるものに分けることが出来、特に1)のグループが興味深かった。 4.現在、グループ1)をさらに詳しく検討するために受精直後の子房(2日目)よりRNAを抽出し、2と同様の方法で、特異的に発現してくるcDNAクローンをより多数得、それらの遺伝子を特定することを試みている。 5.ナス果実とは異なりオーキシンでは単為結果せずサイトカイニン(CPPU)で単為結果するメロン果実についても、同様な方法を用いて受粉によって特異的に発現してくる遺伝子群を解析し、ナス果実の場合の遺伝子発現と比較し、単為結果のしくみを明らかにする。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Nagasawa: "Analysis of genes preferentially expressed in early stage of pollinated and parthenocarpic fruit in eggplant"J. Plant Physiol.. 158. 235-240 (2001)
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[Publications] 前田宝秀: "アサガオ幼芽由来のESTクローンを利用した花成関連遺伝子の同定及び解析"園芸学会雑誌. 70・別2. 195 (2001)
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[Publications] 長澤政紀: "ナスの受精時に特異的に発現している遺伝子の単離"園芸学会雑誌. 70・別2. 135 (2001)