2002 Fiscal Year Annual Research Report
モモの休眠導入期における低温要求性の発現機構の解明と制御
Project/Area Number |
13460016
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
片岡 郁雄 香川大学, 農学部, 教授 (60135548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別府 賢治 香川大学, 農学部, 助手 (30281174)
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10211997)
久保田 尚浩 岡山大学, 農学部, 教授 (70033272)
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Keywords | モモ / 低温要求性 / 休眠導入 / 休眠覚醒 / 生長様相 / 品種特性 / タンパク質 |
Research Abstract |
1.2001年9月から約1ヶ月毎に、挿し穂を水挿しし、20℃、12時間日長で発芽を調査した。武井白鳳、あかつき、白桃では、12月以降発芽がみられ、処理時間が遅いほど発芽が早く、最終発芽率も高かった。発芽開始は、台湾から導入の福州ではいずれの時期とも10日前後であったが、白桃では12月以降発芽し、処理時期が遅いほど発芽が早かった。福州の発芽率は10月以降常に90%以上で、白桃では1月以降の処理で90%以上に達した。白桃×福州の発芽様相は両者のほぼ中間であった。台木品種では、筑波1号で特に発芽が早く最終発芽率も高かった。 2.少低温要求性品種の'オキナワ''プレミア''福州''筑波1号'および多低温要求性品種の'白桃'の1年生挿し木苗をルートボックスに植え、低温遭遇量(7.2℃以下>が450、650および1050時間に達した時点で最低気温10℃に保ったガラス室に搬入した。少低温要求性品種では、低温遭遇450時間でも高率で発芽、開花し、新根伸長が新梢生長に先行した。その他の処理区では、新根と新梢の生長はほぼ同時であった。少低温要求品種では、新梢生長のピークがシーズン中3回、'白桃'では1回観察された。新根生長は2〜3回の生長ピークがみられたが、低温要求性との関係は明らかではなかった。自然条件下においても、少低温要求性品種の発芽開花は、'白桃'に比べて約4週間早かった。 3.11月から1週間ごとに台湾在来の'二青梅'と我国原産の'南高'成木から枝を採取し、25℃、16時間日長で水挿しし、3週間後の萌芽率を調査した。萌芽率が50%に達するための7.2℃以下の低温遭遇は、'南高'で約1100時間、'二青梅'では約600時間であった。これら2品種の葉芽を採取し、粗抽出液を調製し、二次元電気泳動したところ、自発休眠期間中に増加し、自発休眠からの覚醒過程で減少するタンパク質スポットが見い出された。これを切り出し、トリプシンでゲル内消化し、ペプチドシークエンサーでアミノ酸配列を決定したところ、dehydrinであることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 片岡 郁雄, 西川 文美, 香西 直子, 別府 賢治: "自然および制御環境下でのモモの休眠導入と花芽分化"園芸学会雑誌. 71別1. 109 (2002)
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[Publications] Kozai, N., K.Beppu, I.Kataoka: "Adverse effects of high temperature on the development of reproductive organs in 'Hakuho' peach trees"First International Workshop on Production Technologies for Low-chill Temperate Fruits. Abstract. 29 (2002)
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[Publications] 香西 直子, 片岡 郁雄, 別府 賢治, S..スパダラパン, U.ブーンプラコプ, S.マニートン: "タイ北部高地におけるモモおよびネクタリン品種の初期生育の様相"熱帯農業. 46別2. 68-69 (2002)
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[Publications] Kubota, N., M.Kaichi, F.Fukuda, Y.Fujii, Y.Sasabe: "Chilling Requirements among Peach Cultivars and Rootstocks in Relation to Search for Low-chill Peaches"First International Workshop on Production Technologies for Low-chill Temperate Fruits. Abstract. 28 (2002)
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[Publications] 山根 久代, 筧 永子, 岩本 和也, 森 仁志, 田尾 龍太郎, 片岡 郁雄: "ウメ休眠芽に存在するdehydrin様タンパク質の発現"園芸学会雑誌. 72別2(発表予定). (2003)