2001 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ根粒形成を制御する体内移動シグナル物質の検索
Project/Area Number |
13460030
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大山 卓爾 新潟大学, 農学部, 教授 (30152268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 憲邦 新潟大学, 農学部, 助手 (50313507)
末吉 邦 新潟大学, 農学部, 助教授 (10216278)
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Keywords | ダイズ / 根粒 / シグナル / 植物ホルモン / オートレギュレーション / 硝酸 / 根粒菌 / インドール酢酸 |
Research Abstract |
ダイズは、根粒菌と共生して根に根粒を形成し、空中窒素を固定利用することができる。ダイズには、初期の根粒着生が引き続く根粒の形成を抑制する自己抑制機構(オートレギュレーション)があることが知れらている。オートレギュレーションは茎葉部に支配されており、根粒菌が感染したことが「感染シグナル」として葉身に伝えられ、葉から根へ新たな根粒の生長を抑制する「オートレギュレーションシグナル」が伝達されると考えられているが、これらシグナル物質の実態は不明である。本研究では、オートレギュレーションが欠損または低下した根粒超着生変異株NOD1-3とそあ親株のWilliamsを用い、これらシグナルの同定を目指すものである。また、すべての根粒超着生変異株において根粒形成が硝酸阻害を受けにくく、硝酸による根粒形成阻害とオートレギュレーションには共通点があると予想されている。 本年度は、ダイズの根粒形成と植物ホルモンの関連性を調査した。NOD1-3と親株各部位の内生インドール酢酸(IAA)とアブシジン酸(ABA)の含星を、備品として購入したガスクロマトグラフ質量分析計により分析を行った。 生育時期別に根粒中のホルモン濃度を測定した結果、ABA含量は親株及び変異株で同様の推移を示したが、IAA含量は、変異株では親株の数分の1程度と低く推移した。 硝酸投与後のダイズ各部位のIAAとABA含量の変化を測定したところ、親株の根粒では硝酸投与後IAA含量が約5倍に増加した。一`方、変異株では、どの部位においても硝酸処理によりIAA、ABA含量の変化は見られなかった。 水耕液へのIAA投与実験から、変異株はIAAに対する感受性が低下していた。 以上の結果は、根粒形成自己抑制作用と硝酸による根粒生長と窒素固定活性の阻害には、根粒内における高濃度のオーキシンの集積または、植物側のオーキシン感受性が関係している可能性を示した。
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[Publications] Takeo Suganuma: "Comparison of the growth and nitrogen fixation activity of the hypernodulation soybean mutant NODI-3 and its parent cv. Williams in field cultivation"Bulletin of the Faculty of Agriculture, Niigata University. 53(2). 123-132 (2001)
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[Publications] Takeshi Sato: "Changes in four leghemoglobin components in nodules of hypernodulating soybean (Glycine max (L)Merr.) mutant and its parent in the early nodule developmental stage"Plant and Soil. 237. 129-135 (2001)
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[Publications] Norikuni Ohtake: "Effect of short term application of nitrogen on the accumulation of β-subuunit of β-conglycinin in nitrogen starved soybean (Glycine max L.) developing seeds"Soil Science and Plant Nutrition. 48(1). 31-42 (2002)