2002 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌の血球崩壊毒素の膜孔形成と標的細胞認識機構の解明
Project/Area Number |
13460034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神尾 好是 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00109175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 秀男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90165093)
金子 淳 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30221188)
冨田 敏夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00126129)
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Keywords | Staphylococcus aureus / leukocidin / γ-hemolysin / 膜孔形成 |
Research Abstract |
γヘモリジン膜孔の分子的実体の解明と膜孔中間体が発見された。 (1)γヘモリジン膜孔の分子的実体の解明: 膜孔の生化学的分析並びに電子顕微鏡による画像解析から、以下の4事実を明らかにした。すなわち,(i)毒素超チヤネルは2成分が交互に配置し、成分比は3:4または4:3であるへテロ7量体構造をとる。(ii)ヘテロ7量体毒素複合体は赤血球膜上でクラスター化し溶血を促進する。(iii)LukFのリム領域に存在するY72残基がヒト赤血球への初発の結合に重要なアミノ酸残基である。 (2)膜孔中間体の発見: LukF, LukS及びHlg2には、システイン残基が存在しない。従って任意の残基のシステイン残基置換体を作出できる。20種類の変異体の内で、LukFのV12(Capドメイン)とT137(ステムドメイン)の両残基をシステイン残基に置換した変異体(Cys12,Cys137)は、Hlg2存在下でヘモリジン活性を持たなかった(実証1)。ところが、グルタチオンを反応系に入れると野性株と同等のヘモリジン活性を回復した(実証2)。実証1及び2は、変異株がCys12とCys137間でS-S結合をとり,プレステムがCapドメインからの切り離しが不可能になり、標的細胞膜に突き刺されないが、還元剤存在下で-S-S-が-SHに戻り、ステムがCapドメインからの切り離しが可能になったことを意味する。また、V45とT137は、最も近接した状態にあることを意味する。さらに、IC5標識LukFを用いて、「一分子測定技術」を駆使して、蛍光顕微鏡下でプレステムがCapドメインから切り離されるタイミングを可視化することに成功した。また、LukFの標的細胞膜フォスファチジールコリンへの結合が、ステムの形成に重要であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akihito Nishiyama, Marie Antonette Ruth V.Guerra, Noriko Sugawara, Kenji Yokota, Jun Kaneko, Yoshiyuki: "Identification of serine 138 Residue in the 4-residue Segment K135K136I137S138 of Luk-S Component of Staphylococcus intermedius Leukocidin Crucial for the LukS-I-specific Function of Stapylococcal Leukocidin"Biosci. Biotechnol. Biochem. 66(2). 328-335 (2002)
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[Publications] Noriko Sugawara-Tomita, Tohsio Tomita, Yoshiyuki Kamio: "Stochastic Assembly of Two-Component Staphylococcal γ-Hemolysin into Heteroheptameric Transmembrane Pores with Alternate Subunit Arrangements in Ratios of 3:4 and 4:3"Journal of Bacteriology. 184(17). 4747-4756 (2002)
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[Publications] Vananh T.Nguyen, Hideo Higuchi, Yoshiyuki Kamio: "Controlling pore assembly of staphylococcal γ-haemolysin by low temperature and by disulphide bond formation in double-cysteine LukF mutants"Molecular Microbiology. 45(6). 1485-1498 (2002)
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[Publications] 神尾好是, 冨田敏夫, 金子淳: "細菌毒素ハンドブック・13章黄色ブドウ球菌(§1α毒素、§2β毒素、§3σ毒素、§4γ毒素)"株式会社サイエンスフォーラム. 587 (2002)