2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460037
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
関口 順一 信州大学, 繊維学部, 教授 (80111053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勉 東京農工大学, 農学研究科, 助教授 (70215812)
山本 博規 信州大学, 繊維学部, 助手 (20262701)
志田 敏夫 信州大学, 繊維学部, 助教授 (40162599)
|
Keywords | 表層蛋白 / 細胞分離 / 多糖デアセチラーゼ / 枯草菌 / 細胞壁溶解酵素 / PdaA / YbaN / Flag蛋白質 |
Research Abstract |
枯草菌胞子の表層に存在する主要成分コルテックスの合成・修飾機構を解明するため、コルテックスの特性を決めているムラミン酸ラクタムの生合成にかかわる遺伝子とその生成物、PdaA蛋白、の局在化、生成機構を検討した。その結果pdaA遺伝子は胞子のシグマ因子であるシグマGのRNA合成酵素で転写される遺伝子であり、GFP-PdaA融合蛋白質を用いた蛍光スポットの局在場所が胞子であることより、本蛋白は胞子のフォアスポアー側から作られるものであった。pdaA変異株のムロペプチド解析より、変異株は全くムラミン酸ラクタムが存在せず、ムラミン酸ラクタムの生合成に細胞壁溶解酵素ホモログであるCwlD蛋白とともに働いていることを明らかにした。このPdaA蛋白を大腸菌を宿主として生産し、単一になるまで精製することができ、この酵素は細胞壁の半分をしめるペプチドグリカンを脱アセチル化することが解った。さらにPdaAとアミノ酸配列で相同性を示すホモログの1つYbaNの解析も行った。この遺伝子破壊は不完全な胞子をつくり、大部分の胞子が屈折率の変化を示さず、また幾つかの胞子にはコアー内の内容物が無くなっているものも見受けられた。この遺伝子はシグマEのRNA合成酵素により転写される母細胞側で転写される遺伝子であった。 一方細胞表層での細胞分離に関係する酵素CwlE, CwlF、ならびに分離には関係しないが、細胞溶解、細胞壁の代謝回転に関与するCwlBの局在を明らかにするため、3xFlagにこれらの遺伝子を融合させ、枯草菌で発現させ、蛋白の局在化をFlag抗体を用いて検討した。予想通りCwlE, CwlFは分離面、及び両極に局在した。さらにCwlE-3xFlagについてはMin変異株での局在化も調べた。その結果ミニセルの切り離し点となる部位にCwlEが局在することが解った。
|