2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460044
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 信 九州大学, 農学研究院, 教授 (40253512)
|
Keywords | 海洋細菌 / 海産無脊椎動物 / スフィンゴ糖脂質 / レクチン / 代謝酵素遺伝子 / 糖鎖工学 / 縮合反応(加水分解逆反応) / 糖転移反応 |
Research Abstract |
(1)海洋細菌Shewanela alga G8のスフィンゴ脂質セラミドN-デアシラーゼの遺伝子クローニングと発現解析 各種スフィンゴ糖脂質とスフィンゴミエリンのセラミド内のN-アシル結合を加水分分解してそれぞれのリゾ体および脂肪酸を遊離する酵素を生産する海洋細菌Shewanela algaG8を単離し、その酵素遺伝子のクローニングに成功した。この遺伝子は992アミノ酸残基をコードし、推定アミノ酸配列は機知のタンパク質とは一致しなかった。C-末端にミミズレクチンに相同の配列があったが、この配列はG8から分泌された酵素では除去されていた。そこでC-末端を削除した変異体酵素のコンストラクトを作製し、小麦胚芽のin vitro translationの系を用いて酵素活性を調べた。その結果、C-末端のプロセッシングはこの酵素の活性発現に不可欠であることを明らかにした。G8から部分精製した本酵素は、加水分解反応のみならず、リゾスフィンゴ脂質に脂肪酸を縮合する反応も触媒するが、両反応が単一のタンパク質によって触媒されているか、それとも異なるタンパク質によって触媒されているのかは明確でなかった。今回、本酵素の組み替え体を用いることによって、両反応が単一のタンパク質によって触媒されることを明らかにした。 (2)ユウレイクラゲ由来のエンドグリコセラミダーゼのクローニングと糖脂質工学 ユウレイクラゲ由来のエンドグリコセラミダーゼ(スフィンゴ糖脂質に作用して糖鎖とセラミドを遊離する酵素)のcDNAを単離し、哺乳動物細胞で発現する系を構築した。この酵素は、加水分解のみならず、糖脂質の糖鎖の転移反応及び逆反応を触媒することを見いだした。これらの反応を用いて、蛍光標識糖脂質、アルキル糖脂質等を調製する技術を開発した。 (3)イトマキヒトデ由来のTn抗原特異的なレクチンの精製およびcDNAクローニング イトマキヒトデの卵巣からα-GalNAcに特異的なレクチンを見いだし、そのcDNAをクローニングした。また、大腸菌での発現系も構築し、糖に対する特異性を決定した。その結果、本レクチンはTn抗原に特異的な新しいC-typeレクチンであることを明らかにした。また、糖タンパク質のみならずスフィンゴ糖脂質にも結合すること、羊赤血球のレセプターはフォルスマン抗原であることを証明した。本レクチンは、大腸癌等で高発現されているTn抗原の検出試薬としても有望である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Furusato, M. et al.: "Molecular cloning and characterization of sphingolipid ceramide N-deacylase from a marine bacterium, Shewanella alga G8"Journal of Biological Chemistry. 277(19). 17300-17307 (2002)
-
[Publications] Kakiuchi, M. et al.: "Purification, characterization, and cDNA cloning of α-N-acetylgalactosamine-specific lectin from starfish, Asterina pectinifera"Glycobiology. 12(2). 85-94 (2002)
-
[Publications] Horibata, Y. et al.: "Transglycosylation and reverse hydrolysis reactions of endoglycoceramidase from the Jellyfish, Cyanea nozakii"Journal of Biochemistry. 130(2). 263-268 (2001)
-
[Publications] Sueyoshi, N. et al.: "Molecular cloning and expression of Mn2+-dependent sphingomyelinase/hemolysin of an aquatic bacterium, Pseudomonas sp."Journal of Bacteriology. 184(2). 540-546 (2002)