2001 Fiscal Year Annual Research Report
第三世代シンクロトロン放射光を用いた酵素の極限状態X線結晶構造解析
Project/Area Number |
13460046
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 博章 理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, チームリーダー(研究職) (90204487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 崇 理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, 連携研究員 (80333350)
市山 進 理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, 連携研究員 (00333336)
中津 亨 理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, 連携研究員 (50293949)
山下 敦子 理化学研究所, 構造生物化学研究室, 研究員 (10321738)
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Keywords | 時分割X線結晶構造解析 / 超高分解能X線結晶構造解析 / シンクロトロン放射光 / 膜タンパク質 / ラウエ回折 / タンパク質の結晶化 / 構造生物学 / 酵素反応 |
Research Abstract |
1.時分割X線結晶解析(高時間分解能解析) トロピノン還元酵素について、結晶内で酵素:基質複合体ができる状態に保ちつつ、ラウエ法を用いてX線回折データを収集するとともに、そのデータを解析して、基質(NADPHとtropinone)に相当する電子密度を得ることに成功した。酵素:生成物複合体との構造比較から、本酵素は、基質と生成物の結合位置を微妙に制御することにより、最も反応に適した立体配置を達成していることが判明した。 2.超高分解能解析(高空間分解能解析) リンゴ銀葉病菌由来エンドポリガラクツロナーゼの0.95Å分解能でのX線結晶構造解析を行い、同酵素の三次元構造を決定した。その際、プログラムARP/wARPを用いることにより、ほぼ自動的に構造モデルを構築させることができ、構造精密化の作業を、従来に比べ、遥かに短時間で終了させた。また、生成物であるモノガラクツロン酸との複合体結晶の調製にも成功し、基質結合部位を同定することにも成功した。 3.解析困難な状況のX線結晶解析 大腸菌のγグルタミルシステイン合成酵素について、結晶化能を上昇させる変異を導入することにより、X線結晶構造解析に適した結晶を調製することに成功した。 ABCトランスポーターについては、ガンの多剤耐性の原因となるMDR1の遺伝子を用いてバキュロウイルスをベクターにした昆虫培養細胞(Sf-9)による発現系を構築した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tetsuya Shimizu: "Crystallization and preliminary X-ray study of endopolygalacturonase from the pathogenic fungns Stereum purpureum"Acta Crystallographica Section D. 57. 1171-1173 (2001)
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[Publications] Hiroaki Nakano: "Crystallization and preliminary X-ray crystallographic studies of a mutant of ribosome recycling factor from Eschrichia coli, Arg132Gly"Acta Crystallographica Section D. 58. 124-126 (2002)
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[Publications] Tetsuya Shimizu: "Active-Site Architecture of Endopolygaiacturonase I from the Pathogenic Fungus, Stereum purpureum, Revealed by Crystal Structures in Native and Ligan-Bound Forms at Atomic Resolution"Biochemistry. (In press). (2002)
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[Publications] Takao Hibi: "Escherichia coli, B γ-glutamylcysteine synthetase : modification, purification, crystallization and preliminary crystallographic analysis"Acta Crystallographica Section D. 58. 316-318 (2002)