2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブラシノステロイド生合成遺伝子の環境因子による制御
Project/Area Number |
13460050
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 義夫 帝京大学, 理工学部, 教授 (60092144)
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Keywords | ブラシノステロイド / 生合成 / 生合成遺伝子 / エンドウ / イネ / 遺伝子発現 / 環境 |
Research Abstract |
1.イネにおけるブラシノステロイド(BR)生合成に対する温度の影響 イネを21℃、28℃、35℃、42℃で生育させた後、内生BRを定量した。その結果35℃は21℃および28℃に比べてC2α-水酸化を促進し(昨年度の結果を再確認)、42℃はC22-水酸化を抑制することが明らかとなった。 2.エンドウのBR生合成遺伝子の完全長配列の決定 シロイヌナズナと相同のDET2,DWARF,CPD1および2,DWF4の各遺伝子(以上BRの生合成遺伝子)、およびBAS1遺伝子(BRの分解代謝遺伝子)の完全長配列を5'RACE法および3'RACE法によって決定した。 3.エンドウ種子の成長におけるBR生合成遺伝子の役割 以下の事実が分かった。DWARF遺伝子(C-6酸化酵素)が最大に発現するときは、活性BRであるカスタステロンやブラシノライドが増加する種子の成長の盛んな時であるので、成長や分化に直接的に関与する遺伝子である。CPD2(C23-水酸化酵素)とDWF4(C22-水酸化酵素)の発現も成長初期から成長期にかけて多いので、この時期に活性BRの前駆体合成に関与している。BAS1遺伝子(C26-酸化酵素)は成長初期から後期にまで高く発現するので、種子の全成長過程を通じて、BRの内生量を調節している。これら遺伝子の発現量は完熟期には低下するが、CPD1(C23-水酸化酵素)は未熟時には余り発現せず、完熟時に発現量が増大する。このことは完熟種子に高く蓄積する6-デオキソカスタステロンが、発芽時にCPD1酵素によってC-23が水酸化されて活性BRへと変換される可能性を示している。なお、DET2遺伝子(ステロイド5α-還元酵素)の発現は種子の成長を通じて大きな変動はなく、常に一定レベルである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nomura T: "The LKA gene encodes a Bassinosteroid Insensitive 1 homolog of pea"Plant J. 36. 291-300 (2003)
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[Publications] Fujioka S: "Biosynthesis and metabolism of brassinosteroids"Ann Rev Plant Biol. 54. 137-164 (2003)
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[Publications] Mullen W: "Analysis of elligitannins and conjugates of ellagic acid and quercetin in raspberry fruits by LC-MS"Phytochemistry. 64. 617-624 (2003)
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[Publications] Sato D: "Analysis of Strigolactones, Germination Stimulants for Striga and Orobanche, by High Performance Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry"J Agric Food Chem. 51. 1162-1168 (2003)
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[Publications] 横田孝雄: "ブラシノステロイドの生合成"植物の生長調節. 38. 212-219 (2003)