2004 Fiscal Year Annual Research Report
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13460080
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
木島 明博 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50161451)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾定 誠 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30177208)
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| Keywords | マナマコ / 色彩変異 / マイクロサテライト / メンデル遺伝 / アカナマコ / 生殖隔離 / 集団構造 / 交配実験 |
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| Research Abstract |
マナマコの色彩多型における3型は現在1種として認知されているが、形態的差異および生態的差異が認められ、種構成や集団構造において疑問が残る。本研究はマナマコの色彩多型(3型)について、色彩の定量的定性的分析、アイソザイム分析、マイクロサテライトDNA多型分析、交配実験を行い、遺伝学的情報を多角的に捉え、ナマコ研究の基盤を構築するものである。本年度は本研究課題の最終年度としてこれまで報告のないマナマコのマイクロサテライトマーカー(MSDNAマーカー)の開発とそれを用いた色彩型三型の遺伝的関係を解析することを中心に行った。その結果、
(1)前年度開発したMSDNAマーカーを整理し、学術論文として学術雑誌Marine Biotechnologyに掲載が決定された。
(2)それらのMSDNAマーカーの遺伝支配を明らかにするために、3組の雌雄一対交配を作成し、親と子についてMSDNAマーカーの遺伝子型分離を調べたところ、すべてのMS座において1遺伝子座支配のメンデル遺伝に従うことが示され、遺伝標識としての有効性を確証した。この成果は以下に示す成果と共に投稿準備中である。
(3)遺伝支配が明らかになったMSDNAマーカーを用いて女川湾の色彩多型3型について遺伝的差異を調べた結果、アオ型とクロ型には遺伝的差異が認められなかったが、アカ型はそれら2型とは顕著に異なる遺伝的組成を保有することが明らかになった。
(4)そこで、アイソザイム分析で明らかにした日本周辺数地点におけるマナマコの遺伝的組成を定量し、色彩多型3型の集団構造を調べた結果、大分県においてもアオ型とクロ型には遺伝的差異がなく、アカ型はそれらと明確に区分できた。
(5)また、それらに中国(青島)産マナマコを加えて、地理的分化について調べた結果、アカ型はアカ型同士で一つのクラスターを形成し、アオ型とクロ型は各地域で極めて近縁な関係であり、さらにそれらは大きく一つのクラスターを形成した。また、青島はアオ型に属した。これらの成果は一つの投稿論文原稿として作成中である。
(6)平成13年度から今年度までに行ったマナマコの色彩多型に関する遺伝学的研究成果を総合して、マナマコを含むナマコ研究の基盤となる総説を作成した。
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