2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 譲 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40107412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末武 弘章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00334326)
会田 勝美 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50012034)
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Keywords | 魚類 / GnRH / 白血球 / 性成熟 / 生体防御 |
Research Abstract |
GnRHの存在はウナギ,ニジマス,コイにおいて確認されており,特に後2者を中心に検討してきたが,染色体の倍数化が起こっており,GnRHやリセプター(GnRH-R)にそれぞれ2つずつの遺伝子があり,組織ごとに発現パターンに変異があることが分かつた.そのため,機能解析には不適当と判断し,脊椎動物では最小のゲノムサイズをもち,全ゲノムの解明が近いトラフグを材料に研究を進めることとした.まず,トラフグのGnRHとそのリセプター(GnRH-R)について検討した結果,トラフグがsbGnRH(タイ型), sGnRH(サケ型), cGnRH II(チキンII型)の3種類のGnRHと,3種類のGnRH-Rを持つことが明らかとなり,それらのcDNAクローニングを行なった.RT-PCRにより発現組織を検討したところ,sbGnRHとsGnRHが,免疫器官や白血球を含むさまざまな組織に広く分布しているのに対して,cGnRH IIは脳以外には腎臓,頭腎,脾臓のみで発現が認められた.また,GnRH-Rも免疫器官や白血球を含むすべての組織に認められた.SbGnRHの局在を免疫組織化学的に調べたところ,好中球やマクロファージに陽性反応が認められた.また,胸腺細胞にも反応が見られた.これらのことは,GnRHが生体防御系においても何らかの役割を演じていることを示すものであり,皮膚や消化管局所といった感染経路での生体防御という視点も含めてその役割を検討している.
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