2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460090
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
藤井 建夫 東京海洋大学(東京水産大学), 海洋科学部, 教授 (30093305)
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Keywords | 乳酸菌 / ヒスチジン脱炭酸酵素 / Tetragenococcus / ふなずし / Lactobacillus |
Research Abstract |
(1)好塩性乳酸菌Tetragenococcus muriaticusのヒスチジン脱炭酸酵素遺伝子のクローニング、配列決定および発現:T, muriaticusの染色体DNAのEcoRI断片のうち2.4kbpのものをpUC18にクローニングし、このプラスミドをpE38とした。pE38の挿入配列を配列決定に供した結果2つのオープンリーディングフレームが見いだされ、上流側のものをhdcA,下流側のものをhdcBとした。このうちhdcAはG+C含量がT.muriaticusの染色体DNAより5%高い41%であり、約34kDaのタンパクをコードし、演繹アミノ酸配列はO. oeniのヒスチジン脱炭酸酵素と約98%一致していた。この演繹アミノ酸配列のうちβサブユニットと推定される領域と既知のヒスチジン脱炭酸酵素のβサブユニットにより系統樹を作製した結果、StilesおよびHolzapfel(1997)の報告した16S rDNAの配列による系統樹と異なる結果が得られた。サブクローニング後にhdcAをE. coliで大量発現させた結果得られたタンパクは35kDaのタンパクであり、不溶性の封入体を形成していた。この封入体を可溶化しリフォールディングを行った結果活性のあるタンパクが得られた。ノーザンハイブリダイゼーションにより発現を調べた結果、約1kbの転写産物が低pH半嫌気条件下で培養した定常期の細胞から顕著に見られた。 (2)ふなずしの乳酸菌フローラの解明:ふなずし市販品のフローラはLactobacillus kefir, L. alimentariusが優勢であった。現地(滋賀県)加工場で米飯漬け込み中の各時期の試料について調べた結果、漬け込みの前半にフローラの変動が大きく、好気性菌が淘汰され、乳酸菌が優占した。乳酸菌は漬け込み初期にはL. alimentariusが、後期にはL. kefirが優勢となった。
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[Publications] H.Takahashi: "Cloning and sequencing of the histidine decarboxylase gene of gram-negative, histamine-producing bacteria and their application in detection and identification of these organisms in fish"Appl.Environ.Microbiol.. 69・5. 2568-2579 (2003)
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[Publications] M.Satomi: "Marinospilillum insulare sp. nov., a novel halophilic helical bacterium isolated from kusaya gravy"Int.J.Syst.Evol.Microbiol.. 54・1. 163-167 (2004)