2003 Fiscal Year Annual Research Report
均一な土壌中の不均一な水・溶質移動のメカニズムの解明
Project/Area Number |
13460102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩沢 昌 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80134154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 晴行 筑波大学, 農林工学系, 講師 (90323253)
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Keywords | フィンガー流 / 浸潤前線 / ダルシー式 / 不飽和透水係数 |
Research Abstract |
フィンガー流の発生は、土壌物理における長年のミステリーであった。フィンガー流が生じる条件は、浸潤部の圧力勾配が上に向かって負になることであるが、一般に乾燥土に近い方がより低圧なので、均一土中のフラックス一定浸潤では、この状態は常識では考えられない。昨年度までに行った、細いガラスビーズカラムを用いてフィンガー発生を防ぎ、与えるフラックス(q_0)が飽和透水係数(K_s)より小さい浸潤時の水分分布る実験と、浸潤前線にほぼ大気圧の移動圧力境界条件を設定し、ダルシー式と連続式を適用して水移動を計算した解析により、乾燥粒状媒体においては、「浸潤前線は必ず飽和する」という特殊な物理性をもつことが、明らかになった。同時にこれは、「浸潤前線は大気圧に近い水圧でないと進行しない(水侵入圧の存在)」ことを意味し、この特性をもつならば、フィンガー流は必然となる。 本質的な疑問は、なぜ乾燥粒状媒体において不飽和の浸潤前線が存在できないかという点である。球形粒子によって構成されるモデル間隙を考え、気液界面の進行形態の進行過程を解析し、粒子接点の役割によって、間隙内への水進入が独立ではなく相互にリンクせざるを得ないため、乾燥粒状媒体においては、「浸潤前線は必ず飽和する」という理論解析を行った。 先のガラスビーズの実験と、間隙スケールでの浸潤前線の進行形態の解析を次の2つの論文として、国際誌に投稿した。 Sho Shiozawa and Haruyuki Fujimaki, Unexpected water content profiles under flux-limited one-dimensional downward infiltration into initially dry glass beads, Water Resources. Research, 2004(印刷中) Sho Shiozawa and Haruyuki Fujimaki, Pore-scale mechanism of wetting front advancement in initially dry granular media, Water Resources. Research (投稿中)
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Research Products
(1 results)