2001 Fiscal Year Annual Research Report
水分調整が不要な高水分有機廃棄物の微高圧コンポスト化システムの開発
Project/Area Number |
13460109
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
岩渕 和則 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (00193764)
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Keywords | コンポスト / 高水分 / 増殖活性 |
Research Abstract |
コンポスト化とは、生物系廃棄物の有機物を微生物により好気的に分解、減量させ、有機肥料として適切な状態へ変換することである。家畜ふんや食品廃棄物などの生物系廃棄物をコンポスト化し、有機肥料として農地へ還元、再利用することは、循環型社会の形成に重要な役割を果たすといえる。また、化学肥料の使用量削減を促進させることで環境負荷を低減させる効果がある。既往の研究より、コンポスト化には材料含水率50〜60%w.b.が最適であるといわれている。家畜ふんや食品廃棄物の保有する初期含水率85%w.b.以上という状態は水分過多であり、コンポスト化に供するには困難である。それは、材料間隙が水分で埋められ、材料内部に存在するコンポスト化微生物への酸素供給が不可能になり、その増殖が阻害されるためである。一般的な処理として、木質チップ、オガクズ、籾殻などのバルキング材を間隙確保のために混合することが多い。例えば、家畜ふんを含水率70%w.b.以下にするためには、木質チップが1日1頭あたり約10kg、年間約3.5t必要で、処理量やコストの増大につながる。しかしながら、このような処理が不要な方法は未だ開発されていない。 本研究は、試料含水率の違いが増殖活性に及ぼす影響を調べた。その結果、材料が高水分でもバルキング材を混合するなどの処理なしでコンポスト化細菌増殖が可能であることが判明した。
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