2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンウズラMHCクラスIIβ領域の分子免疫学的解析
Project/Area Number |
13460135
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
渡邉 誠喜 東京農業大学, 農学部, 教授 (20078108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
吉田 豊 東京農業大学, 農学部, 講師 (60078227)
半澤 恵 東京農業大学, 農学部, 助教授 (00181032)
椎名 隆 東海大学, 医学部, 助手 (00317744)
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Keywords | ニホンウズラ / MHC(Coja Mhc) / 血清IgG値 / 塩基配列 / Coja II β |
Research Abstract |
1.ニホンウズラMHC(Coja Mhc)領域の塩基配列の解析 血清中の免疫グロブリンG(IgG)濃度が高い系統(A系)雄の赤血球核から抽出した真核DNAより作成したコスミドライブラリーからクローニングした15個のMHC class II β(Coja II β)陽性コスミドクローンにより構築した2つのコスミドコンティグ、Contig 1および2のうち、Contig 1の全塩基配列(155,564bp)を解析した。その結果、Contig 1の中には、古典的Coja II β鎖遺伝子座7つ、非古典的Coja II α鎖遺伝子座1つ、非古典的Coja II β鎖遺伝子座2つ、Coja IV遺伝子座8つ、NKR遺伝子座4つ、Lectin遺伝子座6つ、TAPBPL遺伝子座1つ、RING3遺伝子座1つ、TAP遺伝子座2つに加え、Coja I遺伝子座7つ、計39個の遺伝子座を認めた。一方、Contig 2についてはおよそ210kbのコンティグの中にCoja II β鎖9つ、TAPBPL遺伝子座1つ、RING3遺伝子座1つ、TAP遺伝子座1つおよびCoja I遺伝子座6つ、計18個の遺伝子座をその部分塩基配列より確認した。これら2つのコンティグに含まれる遺伝子座構成および塩基配列を比較することによりがそれぞれ異なるハプロタイプの相同領域に由来することを確認した。また、これらの実験過程にニホンウズラMHC反復配列(QMR)をContig 1および2にそれぞれ2つ、計4つ見出した。さらにContig 1の中には4つのmicrosatelliteが存在した。今後、この多型性を確認し、マーカーとしての有用性を検討する予定である。 2.ニホンウズラMHC classIIハプロタイプと血清中IgG濃度との関係 末梢血および各種免疫臓器から分離したリンパ球のmRNAを鋳型として、すべてのCoja II βのエキソン1からエキソン3の一部を増幅するプライマーにてRT-PCR増幅産物を得、その塩基配列をContig 1および2に認められたCoja II β遺伝子のそれらと比較したところ、少なくとも5個の遺伝子座からmRNAが転写されていることが明確になった。また、これらのうち、TAPBLとRNIG3との間に座位することが予測される遺伝子座からの転写産物がもっとも多く検出された。そこで現在、血清IgG値の異なる様々な系統の個体においてTAPBLとRING3との間の領域をlong PCRにより増幅し、この中に含まれるCoja II β遺伝子座を解析するための実験条件を検討中である。
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