2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460145
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
竹内 俊郎 東京海洋大学, 海洋科学部(水産学部), 教授 (70092591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北宅 善昭 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60169886)
佐藤 秀一 東京海洋大学, 海洋科学部(水産学部), 教授 (80154053)
吉崎 悟朗 東京海洋大学, 海洋科学部(水産学部), 助教授 (70281003)
大森 克徳 (独)宇宙航空研究開発研究機構総合技術研究本部, 研究員
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Keywords | 閉鎖生態系 / 循環 / クロレラ / 飼育 / バイオマス / ティラピア / スピルリナ / タマミジンコ |
Research Abstract |
本研究は現在発展が期待されている閉鎖循環式生態系に注目し、特に、食物連鎖.についても閉鎖循環させながら、水棲生物の継代繁殖を可能にすることを目的とした研究を企画した。すなわち、藻類-動物プランクトン-魚-生物濾過部分を連結し、実際に長期飼育を行うとともに、より小型の装置開発に際しての問題点等を明らかにしようとするものである。本年度は以下の4項目について検討した。1)光周期制御によるティラピアの再生産抑制の可能性について検討した。その結果、6L:6Dでは光周期に暴露した直後は順調に産卵したが、2〜4回目の周期では産卵が抑制され、ティラピアの産卵抑制に光周期制御が利用可能であることが示唆された。2)スピルリナ-ティラピアの食物連鎖を構築する量的な関係を解明するために、^<14>Cをトレーサとしてアイソトープ標識の実験を行った。スピルリナの摂餌効率は開口直後の仔魚から発育に伴い継続的に増大する傾向が見られた。摂餌効率は仔魚体長0.8cm(開口直後)の2.6%から体長3.8cmの90%まで増大し、体長1.0cmと1.2cm、また2.5cmと2.8cmの間で急激に増大した。一方、消化効率、吸収効率および代謝効率には摂餌効率と,同様な傾向は見られなかった。3)仔魚の成長に対するスピルリナの有効性をクロレラおよびユーグレナと比較した。開口直後から各段階のティラピア仔魚がクロレラ、ユーグレナよりスピルリナを多く摂餌すること、スピルリナがクロレラ、ユーグレナより消化しやすいことが明らかになった。これらの結果より、スピルリナはティラピア仔魚に対して著しく有効であることが分かった。4)重力に対する水流方向と流速がミジンコ増殖に与える影響について実験を行った。タマミジンコは水流方向にはその増殖に顕著な影響を受けないが、10cm/min程度の遅い流速下で効率的に増殖をすることが明らかとなった。次に飼育水循環再生に用いる中空糸膜フィルターの選定を行ったところ、最も孔径の小さいACP-1010が長時間の連続濾過に適することがわかった。
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Research Products
(6 results)