2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大山 莞爾 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40135546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 勝幸 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50293915)
福澤 秀哉 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (30183924)
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Keywords | ゼニゴケ / Marchantia polymorpha / 雌雄異株 / 植物生殖器官 / 性染色体 |
Research Abstract |
ゼニゴケ雄株においてハイグロマイシン耐性遺伝子をもつプラスミドpMTをタグDNAとしたDNAタグライン2100株を作出した。その中に、雄生殖器官が恒常培養条件下においても誘導される変異株hpt2040を見いだした。野生型雌株との交配実験およびその遺伝学的解析から、hpt2040株が形成する生殖器官の形態、稔性は正常であり、またその変異は常染色体上の1遺伝子座によるものであることが明らかとなった。交配によって得られた子孫株の1つ2040p-169株について、ゲノミックPCRによりタグDNAの挿入状態を調べたところ、少なくともゲノムDNAの2ヶ所にタグDNAの一部が挿入されていることが示唆された。そこでTAIL-PCR(Thermal Asymmetric Interlaced-PCR)法によりこれらのタグDNAの挿入部位に隣接する2つのゼニゴケゲノム配列を得た。その配列にもとづき、雄ゲノミックライブラリーより対応するクローン9個を得た。これらのうち、タグDNA挿入部位の隣接配列を2つとも有するクローンの1つpMM23-195C11の全塩基配列を明らかにした。pMM23-195C11には、高等植物と相同な機能未知の遺伝子が2個、レトロポゾン様配列が4個見いだされた。また2040p-169株ゲノムのコスミドライブラリーを作成し、pMM23-195C11と共通の領域をもつクローンを単離し、3個の独立したコンティグを得た。pMM23-195C11と2040p-169株に由来するコスミドクローンのコンティグを比較することで、2040p-169株ゲノムにおいて、タグDNAの挿入3ヶ所、ゼニゴケゲノムの一部と考えられるDNAの挿入4ヶ所、そしてゲノム領域の欠失2ヶ所を検出した。挿入・欠失部位を検出するゲノミックPCRによる連鎖解析から、変異表現型の原因となった変異はこれらの変異領域もしくはその近傍に存在することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Okaa et al.: "The Y chromosome in the liverwort Marchantia polymorpha has accumulated unique repeat sequences harboring a male-specific gene"The Proceedings of the National Academy of Science, U.S.A.. 98. 9454-9459 (2001)
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[Publications] Fujisawa et al.: "Isolation of X and Y chromosome-specific DNA markers from a liverwort, Marchantia polymorpha, by representational difference analysis"Genetics. 159. 981-985 (2001)