2001 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の分泌系におけるタンパク質の輸送機構と修飾機構の解析
Project/Area Number |
13460152
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松岡 健 理化学研究所, 形態構築研究チーム, チームリーダー(研究職) (40222294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 浩司 理化学研究所, 形態構築研究チーム, 研究員 (60342870)
竹内 雅宜 理化学研究所, 形態構築研究チーム, 研究員 (00332271)
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Keywords | タバコ / 分泌系 / 輸送小胞 / EST / 再構成系 / 踏査付加 / ヒドロキシプロリン / 表面構造 |
Research Abstract |
本年度我々はタバコ培養細胞BY-2株をモデル細胞として用い、高等植物の分泌系における蛋白質の輸送と修飾に関する研究を行っている。本年度はこの研究の結果として次の成果を得た。 まず、タバコ細胞において分泌系に関わると推定される遺伝子産物を網羅的に同定する目的で、タバコ細胞のEST解析を行い、SNAREと呼ばれる一群の分泌系膜オルガネラの融合に関わる蛋白質を始めとして、これまでに30以上の分泌系関連遺伝子に対応するcDNAを得た。現在これらのコードする蛋白質に対する抗体を作成する目的で、大腸菌を用いて組み替え蛋白質を作成しつつある。 また、試験管内で分泌系の詳細な解析を行うためにタバコ培養細胞からの無細胞抽出液を用いた輸送小胞形成の再構成系の開発を行った。その結果、これまでにCOPII小胞と未知の輸送小胞の形成を示唆する結果を得ている。また、酵母由来の蛋白質と細胞由来の膜を用いて形成させた小胞の形を解析し、COPII小胞の表面構造を明らかにした。 蛋白質の修飾の解析においては、植物特異的に見い出される蛋白質中のプロリン残基の水酸化と水酸化されたプロリンへの糖鎖付加機構の解析を行った。各種の変異蛋白質をタバコ細胞で発現させ、その修飾を解析することにより、蛋白質への糖鎖付加モチーフの同定を行った。また、蛍光方式ペプチドをTLCで分離することにより、プロリンの水酸化を簡便にモニターする系を作出した。
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[Publications] Ken Matsuoka: "Surface structure of the COPII-coated vesicle"Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America. 98・24. 13705-13709 (2001)
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[Publications] 松岡 健: "液胞-リソソーム機能を持つ植物の巨大オルガネラ-"蛋白質核酸酵素. 46・15. 2147-2153 (2001)