2003 Fiscal Year Annual Research Report
シスチントランスポーターの個体における発現と生理的病態的機能
Project/Area Number |
13470031
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂内 四郎 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (70019579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英世 山形大学, 農学部, 助教授 (60235380)
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Keywords | シスチン / グルタチオン / アミノ酸 / トランスポーター / レドックス / 酸化ストレス / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
1.シスチントランスポーターx_c^-系の主成分、xCTタンパク質、をコードするxCT遺伝子の脳における発現をin situ hybridization法により調べた。xCTは髄膜に強く発現し、また、最後野など、一部の脳室周囲器官にも顕著な発現がみられ、脳脊髄液におけるシスチン・システイン比、すなわち、レドックス・バランスを調節している可能性が考えられた。 2.シスプラチン耐性を示すヒト卵巣癌細胞を用い、x_c^-系が細胞のグルタチオンを増やすことによりシスプラチン耐性に寄与していることを明らかにした。 3.xCT遺伝子の5'上流部のプロモーター解析を行い、シスチントランスポーターの親電子薬による活性誘導のメカニズムを解析した。親電子薬による誘導には親電子薬応答エレメントと転写因子Nrf2が関与していることを明らかにした。 4.xCTの遺伝子5'上流部のプロモーター解析を行い、シスチントランスポーターのシスチン欠乏による活性誘導には2個存在するアミノ酸応答エレメントとして知られている配列と転写因子ATF4が関与していることが示された。 5.xCT遺伝子をノックアウトしたマウスの作成に成功した。このマウスは、現時点で3ヶ月まで見かけ上正常に成育しており、繁殖も可能であることがわかった。表現型の解析は今後の課題である。
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[Publications] Hideyo Sato: "Effect of oxygen on induction of the cystine transporter by bacterial LPS in mouse peritoneal macrophages"Journal of Biological Chemistry. 276・13. 10407-10412 (2001)
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[Publications] Hideyo Sato: "Distribution of cystine/glutamate exchange transporter, system x_c^-, in the mouse brain"The Journal of Neuroscience. 22・18. 8028-8033 (2002)
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[Publications] Hiromi Sasaki: "Electrophile response element-mediated induction of the cystine/glutamate exchange transporter gene expression"The Journal of Biological Chemistry. 277・47. 44765-44771 (2002)
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[Publications] Emilio Ruiz: "Vitamin C inhibits diethylmaleate-induced L-cystine transport in human vascular smooth muscle cells"Free Radical Biology & Medicine. 34・1. 103-110 (2003)
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[Publications] Hongyu Wang: "Expression of the activity of cystine/glutamate exchange transporter, system x_c^-, by xCT and rBAT"Biochemical and Biophysical Research Communications. 305. 611-618 (2003)
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[Publications] Suzuka Okuno: "Role of cystine transport in intracellular glutathione level and cisplatin resistance in human ovarian cancer cell lines"British Journal of Cancer. 88. 951-956 (2003)