2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛における神経再生と新規神経回路網形成に関する研究
Project/Area Number |
13470039
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 伸治 関西医科大学, 医学部, 講師 (70276393)
山田 久夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (00142373)
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Keywords | 脊髄 / 神経因性疼痛 / トランスジェニックマウス / 神経幹細胞 / nestin / GFP / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
本研究では、神経幹細胞に発現する中間径フィラメントnestinのプロモーター制御下にGFP蛋白を発現するトランスジェニックマウス(pNestin-GFPマウス)を用いて、昨年nestin陽性細胞が脊髄の中心管付近に局在していることを明らかにした。これらnestin陽性の神経幹細胞が神経再生と神経回路網の再構築(器質的変化)にどのように関与し、神経因性疼痛の発生にどのように関係しているのかを明らかにするために、マウスで選択的L5脊髄神経切断による神経因性疼痛モデルを作製して実験を行い、以下の知見を得た。 1)神経因性疼痛モデルマウスでは、最初の5日間はモデル作製のため皮膚、筋膜、筋層切開による炎症性刺激で両側性にnestinの陽性細胞が出現する。1週間後に炎症性刺激が鎮静化した後では、神経因性疼痛が確立し、患側の脊髄後角の浅層にnestin陽性の細胞が多く見られ、その後消退した。このnestin陽性細胞は、神経細胞のマーカーであるMAP-2やPGP9.5、アストログリアのマーカーであるGEAPいずれに対しても共染されなかったことから、中心管付近からnestin陽性細胞が脊髄後角浅層に遊走し、その後神経細胞やダリア細胞に分化すると考えられる。現在nestin陽性細胞をBrdUで染色して神経幹細胞の遊走経路と分化を検討している。 2)神経因性疼痛は器質的変化だけでなく、機能的変化でも誘発される。今回、新規ノシセプチン拮抗薬JTC-801を用いて内因性ノシセプチンが炎症性疼痛と神経因性疼痛の発生に関与していることを明らかにした。神経因性疼痛は脊髄後角浅層の一酸化窒素(NO)の産生を増加させること、JTC-801はNO産生を抑制して鎮痛作用を発揮することをNO蛍光指示薬DAF-FMを用いてin situで示した。これ以外にも、様々なノックアウトマウスを用いて神経因性疼痛の発生に関与する生体因子を同定して機能的変化と器質的変化の関係を検討している。今後、pNestin-GFPマウスの脊髄スライスを調製して、nestin陽性細胞の遊走、分化に関与する生体因子の同定を進める予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Doi, Y.: "Central nociceptive role of prostacyclin (IP) receptor induced by peripheral inflammation"Neuroreport. 13. 93-96 (2002)
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[Publications] Okuda-Ashitaka, E.: "Pain transmission regulated by novel neuropeptides nocistatin and nociceptin/orphanin FQ"J. Biol. Macromol.. 2. 3-10 (2002)
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[Publications] Tanikawa, N.: "Identification and characterization of a novel type of membrane-associated prostaglandin E synthase"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 291. 884-889 (2002)
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[Publications] Kitano, T.: "Altered response to inflammatory cytokines in energy metabolism in inducible nitric oxide synthase knockout mice"J. Hepatol.. 36. 759-765 (2002)
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[Publications] Muratani, T.: "Characterization of nociceptin / orphanin FQ-induced pain responses by the novel receptor antagonist N-(4-amino-2-methylquinolin-6-yl)-2-(4-ethylphenoxymethyl) benzamide monohydro chloride"J. Pharmacol. Exp. Ther.. 303. 424-430 (2002)
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[Publications] Mabuchi, T.: "Attenuation of neuropatic pain by nociceptin/orphanin FQ antagonist is mediated by inhibition of nitric oxide production"Eur. J. Neurosci.. (in press). (2003)