2004 Fiscal Year Annual Research Report
VHL癌抑制遺伝子の変異による発がんの分子機構の解明
Project/Area Number |
13470041
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
麻生 悌二郎 高知大学, 医学部, 教授 (20291289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北嶋 繁孝 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30186241)
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Keywords | Elongin / 転写伸長 / ノックアウトマウス / アポトーシス / 細胞早期老化 / p53 / p38 MAPK |
Research Abstract |
1.作製したElongin Aホモ欠失型ES細胞は、フィーダー細胞無し、LIF存在下での培養で分化傾向を示すが、これに野生型のElongin A遺伝子を再導入して作製した安定発現ES細胞株は同条件下での培養でAlkaline phosphatse染色陽性の充実性コロニーを形成するという未分化性ES細胞の特徴を維持し続けることが判明した。現在、欠失や点突然変異等、種々の変異型Elongin A蛋白を発現するベクターを用いて再導入実験を行ない、ES細胞の未分化性維持作用に重要なElongin Aの機能ドメインを同定しているところである。 2.Elongin A遺伝子改変マウスを作製したが、ヘテロ変異マウスは野生型同様に正常に産まれて発育したのに対して、Elongin Aホモ欠失マウスはアポトーシスの充進が主原因と想定される全身性の低形成のために胎生10.5日頃に致死となった。さらに、胎生10.5日胎仔由来の線維芽細胞(MEF)を単離して表現型を解析したところ、ElonginAホモ欠失型のMEFはアポトーシスの亢進に加えて細胞サイズの増大、増殖性低下、senescenceβ-galactosidase染色陽性、等の細胞早期老化の表現型を示すことが明らかになった。DNA Microarrayによる発現解析や種々の阻害剤を用いた解析の結果、アポトーシス亢進は癌抑制蛋白p53の活性化によるものであり、細胞早期老化は培養ストレスによるp38MAPKの活性化が主な原因として想定されている。
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Research Products
(1 results)
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[Book] 臨床検査2004
Author(s)
田村 賢司
Total Pages
9
Publisher
医学書院
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より