2002 Fiscal Year Annual Research Report
腸管寄生虫症におけるグルコーストランスポート及びアポトーシス発現の分子機構
Project/Area Number |
13470057
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
有薗 直樹 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10079725)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手越 達也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40254370)
内川 隆一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80145466)
山田 稔 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70106392)
|
Keywords | 寄生虫 / Nippostrongylus / 小腸 / アポトーシス / IEC-6 / カスパーゼ / GLUT / グルコーストランスポーター |
Research Abstract |
腸管寄生虫感染における吸収上皮細胞のグルコーストランスポートの変化及びアポトーシスの発現機構を明らかにするために,本年度は下記の研究を実施した. 1.N. brasiliensis感染ラット小腸におけるグルコーストランスポーターの変化. 前年度,感染ラット小腸上皮細胞においては感染7,14日後にGLUT-5遺伝子発現の有意の低下,GLUT-1遺伝子の有意の発現上昇を認めることを報告した.今年度は,免疫組織化学でその結果を追認した.さらに同時期に細胞内lactateが上昇し血中蛋白およびグルコースレベルが低下していることが明らかになり,グルコーストランスポーターの変化が栄養吸収に重要な役割を果たしていることが示唆された. 2.N. brasiliensis抗原によるアポトーシス発現機構 N. brasiliensis抗原が小腸上皮由来細胞株IEC-6の増殖に及ぼす影響を検討した.その結果,寄生虫抗原はIEC-6の細胞脱落とカスパーゼ3の活性化,PARPの分解を誘導し,アポトーシス発現を促進することが明らかになった. 3.腸管寄生虫感染者におけるグルコーストランスポーターとサイトカイン発現の検討 昨年度に引続きタイ王国消化器内科医S. Lertanekawattana博士との共同で,消化器症状を有する患者からinformed consentを得た後に採取した十二指腸生検材料についてRT-PCR法でグルコーストランスポーターの発現解析を行った.その結果,腸管寄生虫感染者ではGLUT-5発現に変化は見られなかったが,H. pylori感染者ではGLUT-5発現の低下を示すことが明らかになった.さらにサイトカイン発現の解析ではIL-5発現が腸管寄生虫感染者で上昇していることが明らかになった.寄生虫感染者におけるGLUT-5発現はさらに例数を増やして検討する必要性が考えられた.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kuroda, A.: "Up-regulation of Fas (CD95) and induction of apoptosis in intestinal epithelial cells by nematode-derived molecules"Infection and Immunity. 70・8. 4002-4008 (2002)
-
[Publications] ARIZONO, N.: "Glucose transporter gene expressions in intestinal epithelial cells during parasite infection"Abstract book of the 10th international congress of parasitology. 98-98 (2002)
-
[Publications] ARIZONO, N.: "Up-regulation of Fas (CD95) and induction of apotosis in intestinal epithelial cells by nematode excretory/secretory product"Abstract book of the 10th international congress of parasitology. 153-153 (2002)
-
[Publications] Lentanewkawattana, S.: "Expressions of cytokines and monosaccharide transporters in the duodenal mucosa of patients in the rural area of Thailand"日本熱帯医学雑誌. 30・増. 227-227 (2002)
-
[Publications] Kawabata, A.: "Protease-activated receptor 2 (PAR-2) in the pancreas and parotid gland"Life Science. 71・20. 2435-2446 (2002)