2002 Fiscal Year Annual Research Report
PD-1遺伝子破壊マウスにおける自己免疫性拡張型心筋症の発症機構の研究
Project/Area Number |
13470071
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
湊 長博 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40137716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 隆司 京都大学, 医学研究科, 助手 (30322770)
本庶 佑 京都大学, 医学研究科, 教授 (80090504)
田中 義正 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90280700)
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Keywords | PD-1 / PD-L1 / 抑制性レセプター / 自己免疫疾患 / 自己抗体 / 自己抗原 / 拡張型心筋症 |
Research Abstract |
これまでの研究で我々は、PD-1遺伝子破壊マウス(PD-1KO)が特異的自己抗体の心筋への沈着を伴う拡張型心筋症を発症することを報告してきた。本研究課題は、その発症機構を明らかにすることを目的とし、以下の結果を得た。(1)発症マウスの自己抗体により対応抗原の精製に成功し、心臓型のトロポニンl (cTnl)であることを明らかにした。(2)cTnlに対するモノクローナル抗体を樹立し、正常マウスに投与することにより、PD-1KOと同様の拡張型心筋症の発症が認められることを確認した。(3)抗cTnlモノクローナル抗体は、単離された心筋細胞において電位依存性のカルシウム細胞内流入を誘導しうることが示された。これら一連の実験結果によって、PD-1KOマウスにおける拡張型心筋症は心筋細胞特異的自己抗体の心筋機能亢進効果による自己免疫性疾患であることが証明された。この結果に基づき、ヒトの拡張型心筋症発症における抗cTnl自己抗体の関与を検討すべく、ヒト血清中自己抗体検出のためのELISA法を確立した。この検出系をもちいてヒト患者における系統的自己抗体のスクリーニングを進め、ヒト拡張型心筋症における抗cTnl自己抗体の関与について結論を得たい。 平行して我々は、PD-1/PD-L系の腫瘍免疫における意義に関するモデル実験を行い、PD-L1発現腫瘍においては同分子が宿主エフェクターT細胞からの攻撃の回避に寄与しており、担癌個体への抗PD-L1抗体の投与により有効な抗癌性エフェクターT細胞の機能発現とそれによる癌増殖抑制効果を誘導しうることを確認した。これについても、将来的なヒト癌治療への応用を視野に入れ、PD-1/PD-L分子相互作用を阻害しうる可溶性のPD-1およびPD-L1のコンビナント蛋白の生成条件の検討を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Iwai, Y., et al.: "Involvement of PD-L1 on tumor cells in the escape from host immune system and tumor immunotherapy by PD-L1 blockade"Proc. Natl. Acd Sci. USA. 99. 12293-12297 (2002)
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[Publications] Ishida, M., et al.: "Differential expression of PD-L1 and PD-L2,ligands for an inhibitory receptor PD-1, in the cells of lymphohematopoletic tissues"Immunol. Letters. 84. 57-61 (2002)
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[Publications] Nishimura, H., et al.: "Autoimmune dilated cardiomyopathy in PD-1 receptor deficient mice"Science. 291. 291:319-291:322 (2001)