2001 Fiscal Year Annual Research Report
室内環境化学物質のアレルギー応答変容作用とシックハウス症候群との関連に関する研究
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13470078
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| Research Institution | Asahikawa Medical College |
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Principal Investigator |
吉田 貴彦 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中木 良彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90322908)
伊藤 俊弘 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20271760)
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| Keywords | シックハウス症候群 / ホルムアルデヒド / 免疫毒性 / アレルギー / Thバランス |
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| Research Abstract |
ホルムアルデヒド(HCHO)は、シックハウス症候群(SHS)の主原因の一つとして考えられる。SHSがアレルギー等との重複することが知られているので、初年度に、HCHOの免疫応答変容作用およびアレルギー応答修飾作用を検討した。雌マウス6週齢に、一日8時間(昼間)、週6日、6週間HCHO(50-1800ppb)曝露し、免疫学的検索および実験的に誘発したアレルギー応答を観察した。その結果、PFC応答およびリンパ球幼若化応答は低濃度で亢進、高濃度では抑制された。NK細胞活性は濃度依存的に抑制された。Local lymph node assay(LLNA)にて行った即時型および遅延型アレルギー誘導物質による感作段階へのHCHO曝露の影響は、頚部リンパ節の細胞数で前者で増加傾向、後者は変化なく、リンパ球細胞増殖活性は前者で著明に亢進し、後者では変化なかった。アレルギー反応誘発段階へのHCHO曝露の影響は、即時型アレルギー応答で血清中抗原特異的IgE抗体価が腹腔内投与で曝露により濃度依存的にやや増加する一方、鼻腔内投与では強く抑制された。遅延型アレルギー応答はHCHO曝露群で耳介組織中への炎症性細胞の侵潤が抑制され、浮腫のピークが早期にシフトした。耳介組織のサイトカインmRNA発現はIFN-gが曝露群で抑制されたのに対してIL-4、IL-5は変化なかった。
HCHOは低濃度で免疫応答を亢進し、高濃度では抑制的に作用した。NK活性は低下した。HCHOは即時型アレルギーを増悪し遅延型アレルギーを軽減する結果となった。HCHO曝露がTh細胞の亜分画のバランスに対して影響を及ぼす結果であることが示唆された。すなわちHCHOは喘息やアトピー性皮膚炎などの即時型アレルギーの症状を増悪させる可能性のあることがわかった。
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