2003 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病の発症予防に関する職域コホート追跡研究―生活習慣変容がインスリン濃度と危険因子集積に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
13470087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊嶋 英明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10023657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八谷 寛 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30324437)
玉腰 浩司 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30262900)
近藤 高明 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00195900)
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Keywords | 生活習慣病 / コホート研究 / 既往歴調査 / 循環器疾患 / 生活習慣 / 自覚的ストレス / 心電図 / ミネソタコード |
Research Abstract |
本研究は、職域における生活習慣病の発症要因解明と、予防方法を構築するために、平成9年に2職域集団(約11,000名)をコホートして設定し、生活習慣アンケート、健診成績利用、健診時余剰血清の保存に関する同意を得、この情報をデータベース化した。平成14年には、一方の職域集団(約9,000名)に対して、再度詳細な生活習慣・病歴アンケート、並びに血液保存について同意を得た上で実施した。本年度は、以下の成果が得られた。 (1)自己申告による循環器疾患既往歴の妥当性:平成14年5月に実施した病歴アンケートにおいて虚血性心疾患既往歴を申告し、同意を得た15名について診療録調査を実施した。心筋梗塞について調査した7名の内6名の主治医より回答が得られ、5名が確実、1名が可能性ありと判断された。狭心症7名の内6名の主治医より回答が得られ、4名は確実、1名は否定、1名は判定不能であった。PTCAと回答した1名は、確実な心筋梗塞であることが判明した。脳卒中11名の内8名の主治医より回答が得られ、4名が確実な脳梗塞、4名が確実なくも膜下出血であった。これら疾患の既往歴の妥当性の高さが示された。 (2)自覚的ストレスに関連する生活習慣要因の探索:1997年と2002年の両調査において自覚的ストレスがかなり多いと回答した者は、深夜勤務あり、残業日数が多い、睡眠時間が少ない、生きがいやはりがあるとはっきり言えない、悩みの相談相手がいない、寝つきが悪い、食事を腹一杯食べる、余暇をゴロゴロして過ごすと回答した者の割合が男女共に高かった。ストレスに関連する職場・生活習慣要因の一端が明らかになり、組織全体のストレス対策の方向性が示唆された。 (3)健診時心電図所見による心筋梗塞判定見の精度:心筋梗塞既往歴を申告した39名の内、16名(41%)がミネソタコード判定でも「あり」と判定され、自動判定では13名(33%)が「あり」と判定された。両基準を合わせても21名(54%)は心筋梗塞「なし」と判定された。健診時心電図のみから過去の心筋梗塞を判定するには限界があることが示された。発症急性期に冠動脈再灌流療法によりQ波心筋梗塞に至らない症例の増加が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yatsuya H: "Serum phospholipid transfer protein mass as a possible protective factor for coronary heart diseases."Circulation Journal. 68・1. 11-16 (2004)
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[Publications] Yatsuya H: "Reproducibility and validity of simple checklist-type questionnaire for food intake and dietary behavior."Journal of Epidemiology. 17・5. 235-245 (2003)
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[Publications] Tamakoshi K: "Long-term body weight variability is associated with elevated C-reactive protein independent of current body mass index among Japanese men."International Journal of Obesity. 27・9. 1059-1065 (2003)
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[Publications] Yatsuya H: "Association between weight fluctuation and fasting insulin concentration in Japanese men."International Journal of Obesity. 27・4. 478-483 (2003)
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[Publications] Tamakoshi K: "U-shaped association between white blood cell count and fasting plasma glucose level"Diabetes Care. 26・3. 950-950 (2003)
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[Publications] Hori Y: "Gender and age differences in lifestyle factors related to hypertension in middle-aged civil service employees."Journal of Epidemiology. 13・1. 38-47 (2003)