2001 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素(NO)合成酵素の新しい活性化因子、アペリンの医薬品開発に関する研究
Project/Area Number |
13470113
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 清茂 群馬大学, 医学部, 教授 (90134270)
清水 弘行 群馬大学, 医学部, 講師 (20251100)
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Keywords | アペリン / コレシストキニン / 動脈内皮 / 血圧調節 / 一酸化窒素 / eNOS / 延髄腹側 / 循環中枢 |
Research Abstract |
我々はアペリンの消化器における生理作用を検討し、アペリンが腸内分泌細胞からコレシストキニン(CCK)を低濃度で遊離すること、腸由来のSTC-1細胞からもCCKを遊離することを見いだした。アペリンは、胃粘膜や脂肪組織から分泌されCCKを遊離する作用を有することから、レプチン分泌などを介した摂食調節因子として消化器と脂肪組織からのシグナルを脳に伝達してエネルギー代謝のバランスに生理的役割を担っている可能性を検討している。また我々は、アペリンの添加でNO由来の血中NOxの濃度が5-40μMほど上昇することを見いだした。アペリン36は、アペリン12より弱い血圧降下作用を有するにもかかわらず、アペリン12と同程度にラットの血中NOx濃度を上昇した。アペリンは動脈内皮に局在し血圧降下作用を有することから、アペリンがeNOSを活性化し一酸化窒素(NO)を産生する可能性が考えられた。そこで我々は、DAF-2を用いた直接蛍光法を用いてNOの放出を測定したところ、アペリン12が冠動脈血管からNOを放出することを観察した。さらに我々は、アペリンを循環呼吸中枢に密接な関連をもつ延髄腹外側領域に投与したところ、血圧が上昇し心拍数が増加することを見いだした。これは、アペリンが循環中枢ニューロンを刺激し、昇圧、頻脈応答を誘発したものと考えられた。アペリン抗体による免疫染色では、延髄腹側表面に顕著なアペリン染色が観察されたが、近傍のニューロンにはアペリン染色細胞があまり見当たらなかった。これらの結果から循環中枢に対するアペリンの関与が示唆された。
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Research Products
(1 results)