2001 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維症感受性遺伝子の検索:マウス肺線維症モデルからIIPおよび珪肺症へ
Project/Area Number |
13470129
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
棟方 充 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00209991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 清延 岩見沢労災病院, 内科, 部長(研究職)
大塚 義紀 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90301895)
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Keywords | 珪肺症 / シリカ / 感受性遺伝子 / 遺伝子多型 / TNF-α / 純系マウス / ヒト |
Research Abstract |
平成13年度の研究計画に従い、以下の様に研究を進展させた。 【肺線維化感受性マウスと非感受性マウスの交配マウスでのシリカ感受性の定量化】 1.高感受性マウスC57BL6と低感受性CBAマウスから第一世代F140匹、戻し交配backcross80匹、第二世代F2 150匹を養育し、それらに対しシリカ投与を行った。現在それらの病理学的な線維化の程度の半定量による検討、および肺線維化のマーカーであるハイドロキシプロリンを生化学的に定量中である。 2.表現型の定量評価を終えたマウスの腎臓から、DNAの抽出も一方で行っている。 【珪肺症患者背景の検討および検体の採集・保存】 岩見沢労災病院に通院中の珪肺症患者中、喫煙歴、粉塵暴露歴、性をマッチさせて140名を集めた。140名を胸部レ線所見(IL0分類)にて、pr1、pr3、PMFの3群に分けた。呼吸機能検査を行い、同意書の署名をもとに末梢採血をした。末梢血からDNAを採取し、候補遺伝子の一つであり、分泌量に関わるTNF遺伝子プロモーター領域-308(G/A)の多型を検討した。その際に5'プライマーは5'-AGGCAATAGGTTTTGAGGGCCAT、3'プライマーは5'-GAGCGTCTGCTGGCTGGGTGを使用し、PCR産物は、4%アガロースゲルにて解析した。その結果、pr1群(55名)46/9(G/A)、pr3群(39名)31/8、PMF群(46名)46/0の結果を得た。また、同時に行った非暴露健康成人113名では108/5(G/A)であった。いずれの群も異型ホモは存在しなかった。pr1群、pr3群において、有意にコントロール群に比較し異型ヘテロが多く存在した(P<0.05)。これらの結果は、pr1やpr3群のような粒状陰影を呈する群では、TNF-αの遺伝子多型が珪肺症の発症に一部関与している可能性を示す。また、PMFに関しては異なる機序で形成されていることを示唆していると考えられた。今後も検討対象症例を増やす予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大塚義紀, 棟方 充: "結核を発症する遺伝的要因"内 科. 86・4. 718-722 (2000)
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[Publications] 大塚義紀, 棟方 充: "COPDの危険因子"医学のあゆみ. 196. 581-586 (2001)