2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトキマーゼの各種心血管病態でのin vivo機能解析
Project/Area Number |
13470153
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
浦田 秀則 福岡大学, 筑紫病院, 教授 (30289524)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 慶太 福岡大学, 医学部, 講師 (70289536)
松永 彰 福岡大学, 医学部, 助教授 (60221587)
|
Keywords | アンジオテンシンII産生酵素 / キマーゼ / カテプシンG / アンジオテンシン変換酵素 / トランスジェニックマウス / アンジオテンシン受容体ノックアウトマウス / 心血管疾患 |
Research Abstract |
主に肥満細胞由来と考えられる組織キマーゼの発現は各種循環器疾患の病態(心筋梗塞発症と梗塞後心筋リモデリング、心不全、動脈硬化、心筋症)と関連することが臨床サンプルや動物基礎実験で明らかにされている。 ヒトキマーゼをin vivoで研究するためにヒトキマーゼ遺伝子導入マウス(hC Tg)を作成した。hC Tgは体重減少、乏毛、白血球増多、軽度血圧上昇、易動脈硬化発症等の発現型を有することが明かとなった(Koga et al.2003)。これらの表現型の内どれがヒトキマーゼのAngIIを介する表現型でどれがAngIIを介さない直接作用かを明らかにすることが本研究の目的であった。 この点を解明するためヒトキマーゼ遺伝子導入(hC-Tg)マウスとAT1受容体ノックアウト(AT1KO)マウスの交配により、hC+/-,AT1-/-とhC+/-,AT1+/+マウスを確立しその基本的表現型を比較した。hC+/-,AT1+/+マウスに元来観察されていた表現型、すなわち体重減少、乏毛、骨髄増殖に伴う白血球増多、軽症高血圧、心肥大について検討した。hC+/-,AT1-/-マウスでは心拍数には変化なく、体重減少は存在し、血圧は正常化した。一方、心肥大は有意に減少したが、完全には抑制されなかった。したがって、hC-Tgで観察された軽症高血圧は完全に、心肥大は部分的にアンジオテンシンII依存性であることが明らかになった。その他の表現型(体重減少、白血球上昇、乏毛)に関してはhC+/-,AT1-/-マウスではhC-Tgマウスと同様に存在し、AT1受容体非依存性であることが判明した。これらの結果は局所組織のヒトキマーゼ依存性アンジオテンシンII産生が軽症高血圧とそれに伴った心肥大を惹起することを示唆する。これらの成果は昨年度第66回日本循環器学会と第19回世界高血圧学会にて発表し、論文は投稿準備中である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Koga T, et al.: "Human chymase expression in a mice induces mild hypertension with left ventricular hypertrophy."Hypertens Res.. 26(9). 759-768 (2003)
-
[Publications] Kumagai K, et al.: "Effects of angiotensin II type 1 receptor antagonist on electrical and structural remodeling in atrial fibrillation."J Am Coll Cardiol.. 41(12). 2197-2204 (2003)
-
[Publications] Urata H: "Chymase in ischemic cardiovascular diseases."Nippin Rinsho. 61(Suppl 5). 860-866 (2003)
-
[Publications] Yahiro E, et al.: "Reperfusion-induced arrhythmias are suppressed by inhibition of the angiotensin II type 1 receptor."Cardiology. 99(2). 61-67 (2003)
-
[Publications] Hoshino F, et al.: "Chymase inhibitor improves survival in hamsters with myocardioal infarction."J Cardiovasc Pharmacol. 41(Suppl 1). S11-S18 (2003)