2002 Fiscal Year Annual Research Report
単一遺伝子疾患を対象とした包括的遺伝子診断システムの確立と運用
Project/Area Number |
13470155
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松原 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 洋子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80332500)
鈴木 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80216457)
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
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Keywords | 単一遺伝子病 / 遺伝子診断 / フェニルケトン尿症 / 糖原病 / 高グリシン血症 / 薬物代謝酵素多型 |
Research Abstract |
本研究の目的は、各種の単一遺伝子疾患の遺伝子診断を、研究室的なアプローチとは異なった臨床検査的な観点から整理・統合し、より普遍的な臨床診断のための遺伝子診断システムを確立することである。本年度は、このシステムの中核をなすDNAスティック法についてさらに臨床検査医学的な側面から種々の検討を加え、安定した検査結果が得られることを確認した。これらのデータをまとめて国際誌Human Mutationに投稿し受理された(印刷中)。また、すでに昨年度確立した糖原病Ia型、高グリシン血症、アルデヒド脱水素酵素欠損症、CYP2C19遺伝子における変異・多型の検出にくわえて、Tay-Sachs病、Gaucher病、膵嚢胞性線維症、家族性乳がん(BRCA1遺伝子およびBRCA2遺伝子)、血液凝固第V因子Leiden変異、薬物代謝酵素遺伝子多型40種類を検出するためのプライマーを設計した(一部進行中)。糖原病Ia型の遺伝子変異に関しては、他施設より依頼を受けた検体の遺伝子診断をDNAスティック法を用いておこない、実際の臨床応用を行っている。つぎに、テトラヒドロビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損症および高グリシン血症について、アミノ酸代謝異常症の新しい生化学的遺伝子診断法を開発した。その基礎実験をモデルマウスを用いて行ったところ予測どおりの結果が得られ、ヒトへの臨床応用が可能であることが判明した。今後、本研究で開発したDNAスティック法とこの生化学的遺伝子診断法を公表することによって、遺伝子診断を臨床の場により広く普及することができると考えられる。
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[Publications] Matsubara T, et al.: "Detection of Single Nucleotide Substitution by Competitive Allele-Specific Short Oligonucleotide Hybridization (CASSOH) with Immunochromatographic Strip"Human Mutation. (印刷中). (2003)
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[Publications] Kudo T, et al.: "Transgenic expression of a dominant-negative connexin26 causes degeneration of the organ of Corti and non-syndromic deafness"Human Molecular Genetics. (印刷中). (2003)
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[Publications] Kure S, et al.: "Heterozygous GLDC gene mutations in transient neonatal hyperglycinemia"Annals of Neurology. 52. 643-646 (2002)
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[Publications] Namekawa M, et al.: "Identification of the GFAP gene mutation in hereditary adult-onset Alexander disease (HAAD)"Annals of Neurology. 52. 779-785 (2002)
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[Publications] Kanno K, et al.: "Lack of evidence for a significant association between nonsyndromic cleft lip with or without cleft palate and the retinoic acid receptor alpha gene in the Japanese population"Journal of Human Genetics. 47. 269-274 (2002)
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[Publications] 呉 繁夫, 松原洋一: "ゲノムと疾患"medicina. 39. 387-389 (2002)
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[Publications] 松原洋一ほか: "内科学 第8版"朝倉書店. 2297 (2003)