2002 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胎生期における臓器発生機構の解明と胎児移植への応用の検討
Project/Area Number |
13470157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老原 康博 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40302608)
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Keywords | 造血 / 全胚胎児培養 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
Ac-LDL-DiIは血管内皮細胞に特異的に取り込まれることが知られている。 胎児にAc-LDL-DiIを注射し、ただちに全胚胎児培養装置で培養を開始した。注射した胎児のうち約50%が正常発生に準ずるものと判断し、解析を行った。蛍光顕微鏡下では、DiIの蛍光は卵黄嚢を含む全身の血管の走行に沿って検出された。血管網は注射後約1時間でラベルされた。本システムが注射された胎児の発生を妨げないことを確認するため、コントロール実験を行った。同じ母胎より取り出した胎児はほぼ同様の発生過程を共有することが知られている。そこで、子宮内手術を行い、同じ母胎でより注射後培養した胎児と、注射しないで培養もしないものを比較した。注射し培養した胎児の体節数は31.5±0.6(n=4)、注射せず子宮内で発生した胎児の体節数は31.8±1.5(n=4)であり、顕著な違いは認められなかった。これは、注射した胎児が正常発生に準じたことを示している。さらに、造血への影響がないことを確認するために、両者より血液サンプルを採取して比較したところ、赤血球系細胞に比率を含めて、血液細胞の組成は同一だった。
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