2003 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経病変を来すリソソーム病治療への多面的アプローチ
Project/Area Number |
13470164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 規夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30314313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 和子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30294094)
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Keywords | クラッベ病 / ガラクトセレブロシダーゼ / 遺伝子変異解析 / 蛋白質発現系 / サポシンA / DHPLC法 |
Research Abstract |
リソソーム病の病態解明として今年度は脱髄疾患であるクラッベ病に関して、次の2つの方法で研究を行った。 1)クラッベ病の日本人における遺伝子変異を包括的に解析し、そのスクリーニング法につき確立を目指した。日本人の酵素活性で診断されているが遺伝子変異未解析の症例20例に対して、ゲノムDNAを用いて全エクソンの変異をDHPLC法でスクリーニングする方法を確立した。変異が推定されるエクソンに関して塩基配列決定法で変異を同定し、5つの新規変異を含む20変異を同定している。またヒトのアミノ酸の置換する多型についても新たに同定した。新規変異に関しては発現実験により、酵素活性の変化を解析中である。 2)活性化因子サポシンの生物活性の解析;サポシンAは、クラッベ病の欠損酵素ガラクトセレブロシダーゼの活性化因子の可能性がある。そこでこのたんぱく質の酵母発現系を確立した。500mlの培養液から60mgの蛋白が精製できる効率の良い発現系であることが確認でき、また精製したガラクトセレブロシダーゼを用いてin vitro実験で酵素活性を上昇することも確認した。糖鎖についても解析し、糖鎖の付かないタイプの発現蛋白でも活性があることが確認された。またβ-gulcosidaseの活性を上昇させることも確認できた。このサポシンAの活性を用いて変異をもった酵素活性を上昇することができれば治療に使える可能性があるので、変異蛋白の発現系を用いてサポシンAの効果につき解析中である。
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[Publications] Kokubu, C., Wilm, Kokubu, T., Wahl, M., Sakai, N., et al.: "Undulated short-tail Deletion Mutation in the Mouse Ablates Pax1 and Leads to Ectopic Activation of Neighboring Nkx2-2 in Domains that Normally Express Pax1"Genetics. 165. 299-307 (2003)
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[Publications] 酒井規夫: "ムコリピドーシスII,III型"小児内科. 35. 494-497 (2003)
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[Publications] Shimizu S, Kawagishi R, Wada K, et al.: "Fetal homorrhage associated with congenitalintestinal atresia"J Obstet Gynaecol Res.. 29, 5. 312-316 (2003)
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[Publications] Tomimatsu T, Fukuda H, Wada K, et al.: "Neonatal Bartter syndrome with unilateral multicystic dysplas tic kidney disease"Pediatr Nephrol.. 18, 4. 391-394 (2003)
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[Publications] Kimura T, Usui N, Wada K, et al.: "Unilical cord ulser associated with fetal jejunal atresia : Report of 2 cases"Fetal Diagn Ther.. 18, 3. 144-147 (2003)