2004 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血リンパ球からのウイルス特異的キラーT細胞の誘導法の開発
Project/Area Number |
13470168
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 俊一 東海大学, 医学部, 教授 (70096212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 政夫 東海大学, 医学部, 講師 (00208422)
服部 欽哉 東海大学, 医学部, 助手 (50276820)
井上 裕靖 東海大学, 医学部, 助手 (40366000)
田中 和生 東海大学, 医学部, 助教授 (50236569)
|
Keywords | CMV-CTL / テトラマー / 樹状細胞 / HLA |
Research Abstract |
【ヒト末梢血・臍帯血を用いた研究実績】 正常健常人末梢血からHLA-A0201または2402テトラマーとanti-PE immunobeadsを用いて陽性細胞を分離し、IL-2存在下にペプチドによる刺激を繰り返す培養方法を確立した。培養後細胞はテトラマー陽性率ほぼ100%にて、51Cr release assayにおいてサイトメガロウイルス特異的なキラー活性を示した。 さらに移植症例におけるテトラマー陽性細胞の推移は、サイトメガロ感染時にウイルス抗原血症と有意な相関関係にあることが明らかとなった。A2402は日本人の70%と高い抗原頻度であり、約2-3週の短期間において10^7個以上(100倍以上)に迄増殖可能であることから、現在臨床応用に向けた準備を進行中である。 また臍帯血中には抗CMV-CTLが殆ど含まれないことにより、移植後のCMV感染が重篤化することが問題となっている。これまで我々は、抗CMV抗体の陰性即ち未感染成人血液あるいは一部の臍帯血からも、樹状細胞を用いることによってin vitroでCTLが誘導可能であることを明らかにしてきた(Exp.Hematol2004)。 このような事実を踏まえ、臍帯血移植後にドナー樹状細胞とペプチドによるワクチネーションによるin vivo免疫感作が可能であるかを検討中である。あるいは移植後生着ドナー細胞から上記テトラマーにより細胞分離し、ドナー樹状細胞を用いることによってin vitroで増殖培養可能であるか検討している。 なお樹状細胞には骨髄系・リンパ系の2種類存在することが明らかにされている(Human Immunol2003)。現在移植症例における両樹状細胞の変動につき解析中であるが、さらにその機能についても今後明らかとし、免疫細胞療法開発に繋げていきたい。 【マウスを用いた研究実績】 BALB/cマウス(H-2d)にマウスサイトメガロウイルス(MCMV)を感染させる系を用いて実験を行った。平成15年度迄の研究からMCMV抗原が検出限界以下のマウスにおいてもMCMV特異的キラーT細胞は増殖・維持できることを観察し、in vitroで増殖させたキラーT細胞が抗CMV抗体陰性の非感染宿主体内で維持出来る事を示した。そこで、平成16年度はウイルス抗原非存在下でのウイルス特異的キラーT細胞の維持機構について研究を行った。その結果、常在細菌叢を欠く無菌BALB/cマウスでは活性型キラーT細胞は出来るが、メモリー型T細胞へは移行出来ないことを観察した。
|
Research Products
(7 results)