2003 Fiscal Year Annual Research Report
Caspase-1/IL-18系によるアトピー性皮膚炎の発症・制御に関する研究
Project/Area Number |
13470171
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
水谷 仁 三重大学, 医学部, 教授 (30115737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
筒井 ヒロ子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (40236914)
保富 康宏 三重大学, 医学部, 助教授 (90281724)
山西 清文 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10182586)
磯田 憲一 三重大学, 医学部, 助手 (50262994)
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Keywords | IL-1 / IL-8 / ヒスタミン / アトピー性皮膚炎 / カスパーゼ / 自然免疫 / innate atopy / 膿疱性乾癬 |
Research Abstract |
我々がすでに作成したCaspase-1を皮膚に過剰に発現するマウスを解析し、マスト細胞の増加とヒスタミン血症を起こすアトピー性皮膚炎(AD)モデルマウスであることを見いだした。このマウスがIL-18を大量に産生するところからIL-18遺伝子導入マウスを作成し,IL-18が皮膚炎とともにIL-4,IL-5,IL-10等を誘導することを明らかにした.さらに,これらの症状がIgE欠損マウスとの交配では消失せず,IL-18欠損マウスとの交配で消失するところから,皮膚炎がIgE非依存性でIL-18依存性であることと皮膚のIL-1が皮膚炎発症の促進因子であることを証明した.また,これたの動物が,従来ADモデルをされていきたマウスと異なり,飼育環境や条件などに左右されず,環境抗原非存在下に症状を発現することを明らかにし,IgEを介した獲得免疫型アトピー性皮膚炎の外に自然免疫型アトピー性皮膚炎が存在することを,新規の概念として提唱した.さらに,病変皮膚の移植実験からIL-18を分泌する皮膚病変が全身的なTh2病態を形成することを明らかにした。さらに、このマウスを結核菌死菌ワクチンにより治療し,皮膚症状が抑制でき、全身的な免疫状態が,Th2からTh1へとシフトするこを明らかにした.現在,その結果をとりまとめて投稿中である.さらに、同マウスのstat6を遺伝子を除くことにより全身をTh1型とし、膿疱性乾癬ときわめて類似の皮疹を持つマウスを作成でき、乾癬とADのサイトカインによる病因についての新知見を明らかにした。
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[Publications] 水谷 仁, 西口 健, 村上貴章: "アトピー性皮膚炎の動物モデル"日本医師会雑誌. 129. 1409-1413 (2003)
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[Publications] 村上貴章, 水谷 仁, ほか: "アトピー性皮膚炎"アレルギー科. 17. 103-108 (2004)
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[Publications] Mizutani H, et al.: "Animal model of psoriasis and pustular psoriasis"Arch Dermatol Res. 295s. S67-S68 (2003)
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[Publications] Nakano H, Mizutani H, et al.: "Persistent secretion of IL-18 in the skin contributes to IgE response in mice"Int Immunol. 15. 611-621 (2003)
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[Publications] 水谷 仁: "スキンケアーと保湿"Topics in atopy. 2. 26-32 (2003)
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[Publications] Mizutani, H.: "Cytokines in atopic dermatitis (eczema) : Text book of Atopic dermatitis"Springer (in press). (2004)