2002 Fiscal Year Annual Research Report
開放型MR装置を用いた立位における局所肺機能評価法の開発に関する研究
Project/Area Number |
13470182
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
村田 喜代史 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高櫻 竜太郎 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70335181)
井藤 隆太 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80263052)
高橋 雅士 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (20179526)
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Keywords | 開放型MR / 座位MR / 横隔膜運動 |
Research Abstract |
昨年度に実施した正常者における横隔膜運動の体位による違いを確認する目的で、追加検討を行うとともに、肺癌症例における手術前後の横隔膜運動の変化、ならびに横隔膜麻痺患者における横隔膜運動の正常肺との違いを検討した。用いた撮像法はfast-SPGR法で、左右肺に設定した6スライスの矢状断面のそれぞれにおいて、2-5回の深呼吸時に40枚の連続画像を撮像し、この検査を臥位と座位で実施した。連続画像から最大吸気画像、最大呼気画像を選び、対応する点の移動距離(DD)を計測した。計測点は左右それぞれにおいて、内、中、外、および腹側、中央、背側を組み合わせた18点である。臥位のDDは89%の部位で座位のDDより有意に大きく、背側のDDは83%の点において腹側のDDより有意に大きかった。しかし、左右の対応点ではDDの値に有意差はみられなかった。 肺葉切除を行った9例において実施した手術前後のMR検査の比較では、手術前のMR検査では正常者と変わらない横隔膜運動を示したが、手術後安定期では、手術側の横隔膜運動は手術前に比較してDDは有意に小さな値を示し、手術操作が横隔膜運動に影響を与える可能性が示唆された。また、2例の横隔神経麻痺患者では、臥位におけるDDと比較して、座位のDDが有意に大きな値を示した。この結果は、正常者における横隔膜運動とは異なる動態であり、横隔神経の横隔膜運動における役割を検討する上で、興味深い結果と考えられた。さらに、肺気腫をもつ症例では、横隔膜運動の減少が座位でも臥位でも観察され、定量的に確認された。 座位MR検査は種々の横隔膜運動の病態を定性的ならびに定量的に解析する上で有用な検査となりうる可能性が示された。
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