2001 Fiscal Year Annual Research Report
養育環境が神経可塑性および神経増殖に与える影響の分子生物学的研究
Project/Area Number |
13470195
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
神庭 重信 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50195187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 潤一 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20303422)
久保田 正春 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60234499)
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Keywords | 養育環境 / 海馬 / 神経新生 / セロトニン |
Research Abstract |
母子分離 8週齢のラットを交配させ、出生日に健康なラットを8頭(雄4頭、雌4頭)選択した。飼育室は25±2℃に保ち、明期、暗期の周期は12時間とした。3日目から11日目までの明期開始の4時間後に母親から3時間分離した母子分離群、15分間のハンドリングのみ行ったハンドリング群、コントロール群の3群のラットを飼育した。出生21日後に離乳を行い、10〜11週齢まで飼育した。 拘束ストレス ストレスは2、4、6時間の拘束ストレスを与えた。拘束ストレスの24時間前にBrdU50mg/kgを4回に分けて腹腔内に投与した。拘束ストレス後に4%PFAを大動脈より灌流固定した。 免疫染色 3%H_2O_2を用い内因性ペルオキシダーゼをブロックした後、4N HClでdenatureを行う。ウマ血清で30分間のブロッキング後、抗BrdU抗体にて24時間のインキュベートを行った。二次抗体を用いた後にABC法にて増幅しDAB-Nickelにて発色させた。 定量化 400倍の光学顕微鏡を用い、海馬歯状回内側から2細胞の間の層に存在するBrdU陽性細胞数を数え、歯状回の面積で除して、平方ミリあたりの陽性細胞数を各群で比較した。 結果 母子分離群、コントロール群では拘束ストレスによってBrdU陽性細胞数に変化を見せなかった。ハンドリング群では4時間、6時間の拘束ストレスによりBrdU陽性細胞数が増加した。これらの結果は養育環境により、海馬のセロトニンシステムが変化するという報告に合致している。
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[Publications] 工藤耕太郎他: "ストレスと神経細胞死"医学のあゆみ. 197. 271-274 (2001)
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[Publications] Soma M et al.: "Mice lacking serum amyloid P component do not necessarily develop severe autoimmune disease"Biochem. Biophs. Res. Com. 286. 200-205 (2001)
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[Publications] Ono Y et al.: "Dimensions of temperament as vulnerability factors in depression"Mol. Psychiatry. (In press).
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[Publications] 神庭重信: "こころの病理の構造 松本元、小野武年編、情と意の脳科学-人とは何か-"培風館. 25 (2002)