2003 Fiscal Year Annual Research Report
BCL6転座による悪性リンパ腫発症の分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
13470204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今田 和典 京都大学, 医学研究科, 助手 (20314213)
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Keywords | B細胞リンパ腫 / BCL6遺伝子 / t(3;6)(q27;p21)転座 / Histone H4遺伝子 / H4 / BCL6 fusion gene / t(3;16)(q27;p11)転座 / IL-21受容体遺伝子 / transgenic mouse |
Research Abstract |
B細胞リンパ腫のrecurrentな染色体転座であるt(3;6)(q27;p21)によってhistone H4遺伝子とBCL6遺伝子が結合する。我々は5例のt(3;6)転座の転座接合部の解析を行ない、同部のゲノム構造を可能な限り保存したH4/BCL6 fusion gene constructを作製した。このconstructの導入によりCOS7細胞においてBcl6蛋白が強発現することを確認した後、transgenic mouse(Tgマウス)の作製を目的として熊本大学動物資源開発研究センターに依頼してH4/BCL6 fusion geneをC57BL/6マウスの受精卵へ注入した。離乳後のF0マウスの供給を受けPCRを用いたスクリーニングの結果、数匹のTgマウスが得られたが、Tgマウスの継代が非常に困難でまた少なくとも一部のTgマウスではtransgeneの一部が欠落しており、現在までのところH4/BCL6 fusion geneによるBcl6蛋白の発現が確認できたTgマウスは得られていない。transgeneの発現が、発生や生殖機能に影響している可能性が高くtransgeneのプロモーターを変更することを検討している。一方、我々はt(3;16)(q27;p11)の染色体転座を有するB細胞性リンパ腫の転座接合部の解析により、IL-21受容体(IL-21R)遺伝子とBCL6遺伝子が融合していることをすでに報告したが、B細胞リンパ腫においてIL-21Rの発現をmRNAレベルおよび蛋白レベルで解析したところ、少なくとも一部において機能的IL-21Rが発現していることを見い出した。この結果から、BCL6転座のパートナー遺伝子もB細胞性リンパ腫の発症に関与している可能性が示唆された。
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